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壁閉じ込め型プラズマチャネルを用いた大強度パルス軽イオンビームの伝播に関する研究

氏名 山田 哲夫
学位の種類 博士(工学)
学位記番号 博乙第186号
学位授与の日付 平成14年3月25日
学位論文題目 壁閉じ込め型プラズマチャネルを用いた大強度パルス軽イオンビームの伝播に関する研究
論文審査委員
 主査 教授 八井 浄
 副査 助教授 江 偉華
 副査 助教授 末松 久幸
 副査 助教授 原田 信弘
 副査 富山大学 工学部教授 升方 勝己

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第1章 序論
1-1 はじめに p.3
1-2 軽イオンビームの特色 p.3
1-3 軽イオンビームによる慣性核融合 p.4
1-4 本研究の目的と構成 p.5
1-4-1 目的 p.5
1-4-2 構成 p.5
第2章 壁閉じ込型プラズマチャネルによるLIBの伝播
2-1 概要 p.6
2-2 伝播基本原理 p.7
2-3 実験装置 p.8
2-4 実験結果及び検討 p.9
2-4-1 Bθの半径方向分布 p.9
2-4-2 伝播効率のチャネル電流の依存性 p.11
2-4-3 伝播効率のチャネル圧力の依存性 p.12
2-4-4 伝播効率のビーム入射タイミング依存性 p.13
2-4-5 プラズマチャネルの挙動 p.14
2-4-6 閉じ込め角度のチャネル電流依存性 p.17
2-4-7 閉じ込め角度のビームエネルギー依存性 p.19
2-4-8 チャネル内におけるビーム拡がり計測 p.22
第3章 Bz印加による壁閉じ込め型プラズマチャネルの安定化とLIBの伝播
3-1 概要 p.25
3-2 ソーセージ型不安定性 p.25
3-3 実験装置 p.27
3-4 実験結果及び検討 p.28
3-4-1 チャネル電流 p.28
3-4-2 Bzのz方向依存性 p.32
3-4-3 Bθ波形 p.37
3-4-4 プラズマチャネルの挙動 p.39
3-4-5 ビーム伝播効率 p.43
第4章 オーバーラップ型壁閉じ込め型プラズマチャネルの安定化とLIBの伝播
4-1 概要 p.45
4-2 実験装置 p.45
4-3 実験結果及び検討 p.47
第5章 結論 p.56
参考文献
謝辞
研究業績

 本論文は、将来予測されるマルチイオンビーム慣性核融合への指針を得ることを目的として、壁閉じ込め型z-放電プラズマチャネルを用いて、大強度パルス軽イオンビームの伝播特性を種々の観点から実験的に調べたものである。
 第1章では、本研究の背景について述べ、研究の目的を明確化する。
 第2章では、次章から問題となる実験の予備実験として、パルスイオンビームの伝播において問題となるエネルギー損失を調べた。種々のフォイル(プラスチック)を設置してパルスイオンビームが通過する時のエネルギー損失割合(阻止能)を調べて、チャネルに正味投入されるエネルギーの見積りを行った。
 第3章では、コンデンサー放電を用いて壁閉じ込め型z放電プラズマチャネルを生成し、これに大強度パルス軽イオンビームを入射して、エネルギー及び粒子数の伝播特性を計測した。その結果、チャネル内の電流路はシート状となり、チャネル電流の増大と共にチャネルIREBの中心方向に圧縮されること、チャネル形成後の速いタイミングでチャネルが安定な領域ではパルスイオンビームは効率良く伝播する(エネルギー800keVのイオンビームを入射して、伝播効率80%を得た)が、遅いタイミングではプラズマは不安定となり、パルスイオンビームは伝播出来なくなること、この時発生するプラズマの不安定性はソーセージ型のマクロ不安定性であること、等が判明した。
 第4章では、前章で明らかとなったソーセージ不安定性を抑制するため、z軸方向に縦磁界を印加して、安定なチャネルを生成した。これにパルスイオンビームを入射すると、前章の不安定な領域でも、効率良く伝播する(イオンビーム伝播効率50%を得た)ことが判明した。
 第5章では、将来のイオンビーム慣性核融合炉では数十本のマルチビーム化することを想定して、隣接する3本の壁閉じ込め型z放電オーバーラップ型プラズマチャネルを形成し、放電形成過程を評価すると共に、チャネル中のパルスイオンビーム伝播特性を調べた。その結果、主チャネルはリターンチャネルの磁界による磁気圧で圧縮され、断面は楕円形の電流層となり、更に等磁束密度分布曲線も楕円形となること、ビーム径の圧縮によりビーム密度も増大すること、この時イオンビームは効率良く伝播すること(イオンビーム伝播効率が数十%の伝播効率を得た)、等が判明した。
 第6章では、本研究で得られた結果を総括すると共に、今後の課題と展望を述べ、将来について提言した。

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