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マスコンクリートの温度応力低減技術の開発に関する研究

氏名 江渡 正満
学位の種類 博士(工学)
学位記番号 博甲第197号
学位授与の日付 平成11年8月31日
位論文の題目 マスコンクリートの温度応力低減技術の開発に関する研究

論文審査委員 主査 教授 丸山 久一
 副査 助教授 下村 匠
 副査 教授 丸山 暉彦
 副査 助教授 宮木 康幸
 副査 助教授 大塚 悟

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第1章 序論 p.1
1.1 本研究の背景と目的
1.2 既往の研究
1.3 本論文の構成
参考文献

第2章 有限要素法による温度応力予測精度 p.15
2.1 概説
2.2 使用物性値
2.3 解析対象構造物
2.4 解析結果および補正係数Φに関する実験の必要性
2.5 まとめ
参考文献

第3章 補正係数Φに関する実験的検討および設定方法の提案 p.21
3.1 概説
3.2 内部拘束卓越型の温度応力測定試験
3.3 外部拘束卓越型の温度応力測定試験
3.4 既往の温度応力測定試験
3.5 温度応力解析に用いる補正係数Φの提案
3.6 提案した補正係数Φを用いた温度応力推定の精度
3.7 まとめ
参考文献

第4章 温度応力低減技術の開発 p.53
4.1 概説
4.2 温度応力低減要因の検討
4.3 効果的且つ低コストな温度ひび割れ制御技術
4.4 まとめ
参考文献

第5章 開発した温度応力低減技術に関する実験および解析的検討 p.73
5.1 概説
5.2 実験の概要
5.3 実験結果および考察
5.4 解析的解析
5.5 コスト評価
5.6 温度応力低減技術の展開
5.7 まとめ
参考文献

第6章 結論 p.103
6.1 本研究の結論
6.2 今後の研究課題

謝辞

付録

 本論文は「マスコンクリートの温度応力低減技術の開発に関する研究」と題し、6章より構成されている。
 第1章「序論」では本研究の背景と目的、既往の研究および論文の構成を述べた。
 第2章「有限要素法による温度応力予測精度」では、現在土木学会コンクリート標準示方書・施工編(以下RC示方書)で示された静ヤング係数の補正係数Φを用いた場合の温度応力の予測精度を、既往の文献に示された構造物の温度応力測定結果などをもとに検証した。その結果、RC示方書の補正係数Φでは、予測精度が不足していることを確認した。
 第3章「補正係数Φに関する実験的検討および設定方法の提案」では、研究期間中に実施した2種類の実験と過去に実施された実験の結果をもとに補正係数Φを求めた。その結果、補正係数Φには応力依存があることが認められ、時間依存としているRC示方書の補正係数Φは、実現象を反映できないことを示した。次に、時間依存型の補正係数Φに対応し且つ広く一般に普及している有限要素法による温度応力解析プログラムに、応力依存型の補正係数Φを適用するために、コンクリート温度および部材厚を考慮した時間依存型の補正係数Φの設定方法を提案した。最後に提案した補正係数Φを用い、第2章で実施した検証を再度行ない、温度応力の予測精度が向上することを確認した。
 第4章「新しい温度応力低減技術の創造」では、低コスト且つ効果的に温度応力を低減する新しい技術の可能性を検討した。すなわち「効果的」というキーワードを具現化するために、有限要素法によるパラメータ解析を実施し、温度応力低減に物理的に効果の高い要因として、断熱温度上昇特性値や線膨張係数など8項目に絞り込んだ。次に、「低コスト」というキーワードについては、技術の部分使用や後工程に影響しないなどのポイントをあげ、この二つのキーワードを満足する要因を検討し、具体的な技術としてプレクーリング、低熱ポルトランドセメントあるいは膨張コンクリートの部分使用に関する温度応力低減メカニズムを考察した。
 第5章「提案した新しい温度応力低減技術に関する実験および解析」では、プレクーリシグおよび低熱ポルトランドセメントの部分使用による温度応力低減効果を実験および有限要素法による解析で確認した。次に、効果的な部分使用の範囲を解析的に検討し、更に在来の温度応力低減技術を含めたコストスタディーより、提案した技術が低コスト且つ効果的な温度応力低減技術であることを示した。
 第6章「結論」では、本研究の結論と今後の課題を示した。

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