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Study on Motor Drive System Driven by Hybrid Power Converter without DC Capacitor and Boost Inductor (DCコンデンサと昇圧インダクタを用いないハイブリッド電力変換器によるモータ駆動システムに関する研究)

氏名 GOH TECK CHIANG
学位の種類 博士(工学)
学位記番号 博甲第631号
学位授与の日付 平成24年8月31日
学位論文題目 Study on Motor Drive System Driven by Hybrid Power Converter without DC Capacitor and Boost Inductor (DCコンデンサと昇圧インダクタを用いないハイブリッド電力変換器によるモータ駆動システムに関する研究)
論文審査委員
 主査 准教授 伊東 淳一
 副査 教授 近藤 正示
 副査 教授 大石 潔
 副査 准教授 宮崎 敏昌
 副査 千葉大学 准教授 近藤 圭一郎

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Contents page
Title page p.i
Table of Contents p.iii
List of Figures p.viii
List of Tables p.xiii
Acknowledgements p.xv
Chapter 1: Introduction
 1.1 Background p.1
 1.2 Research Objective p.8
 1.3 Thesis Outline p.17
Chapter 2: Principles of AC/DC/AC Power Converters in Hybrid Power Systems
 2.1 Introduction p.22
 2.2 Overview of AC/DC/AC Converter Topologies in a Hybrid Power Systems p.25
 2.3 Classical Systems (Energy Components Dependency)
 2.3.1 State of Arts p.26
 2.4 Minimization of DC Capacitance p.31
 2.4.1 Direct Capacitor Current Control p.31
 2.4.2 Current Source Active Power Filter p.35
 2.4.3 Harmonic Current Injection p.38
 2.5 Future Concept Systems p.41
 2.5.1 Hybrid Matrix Converter (H-MC) p.44
 2.5.2 Z-source Matrix Converter (Z-MC) p.47
 2.5.3 Two-stage Matrix Converter(Indirect Matrix Convertor) p.50
 2.6 Comparison between Classical and Future Systems p.55
 2.7 Proposed Circuit Structure
 2.7.1 Introduction p.57
 2.7.2 Beneficial Position of Proposed Converter p.60
 2.7 Conclusion p.63
Chapter 3: Investigation and Evaluation of a 750 W Motor Drive System
 3.1 Introduction p.65
 3.2 Proposed Control Techniques p.67
 3.3 Primary Stage Controller p.69
 3.4 Inverter Stage Controller p.71
 3.5 Reactor Free Boost Converter Controller p.73
 3.6 Simulation Results p.78
 3.6.1 Operation of Reactor Free Boost Converter p.79
 3.6.2 Operation Evaluation of Hybrid Power System p.80
 3.7 Experimental Results p.82
 3.8 Performance of an Induction Motor
 3.8.1 Experimental Setup Condition p.86
 3.8.2 Experimental Results p.87
 3.8.2.1 Speed and Torque Curves p.88
 3.8.2.2 Torque Step Impact Characteristic p.91
 3.8.2.3 Acceleration and Deceleration Characteristic Conclusion p.94
 3.9 Conclusion p.97
Chapter 4: Design and Optimization of Reactor Free Boost Converter
 4.1 Introduction p.100
 4.2 Principle Operation of Reactor Free Boost Converter p.102
 4.3 Problems of Variable Frequency Carrier p.103
 4.4 Proposed Method p.107
 4.5 Simulation Results p.111
 4.6 Experimental Results p.114
 4.7 Loss Analysis p.118
 4.8 Conclusion p.120
Chapter 5: Design and Implementation of Overmodulation Techniques
 5.1 Introduction p.122
 5.2 Two Overmodulation Techniques p.124
 5.3 Square Wave Modulation p.128
 5.4 Trapezoidal Wave Modulation p.130
 5.5 Optimization of Switching Patterns in Primary Stage p.132
 5.6 Simulation Results
 5.6.1 Square Wave Modulation p.140
 5.6.2 Trapezoidal Wave Modulation p.143
 5.7 Experimental Results p.146
 5.7.1 Resistance- Inductance Load p.147
 5.7.2 Induction Motor Drive p.150
 5.7.3 Comparison of the Two Proposed Methods p.152
 5.8 Operation of Reactor Free boost Compensation p.154
 5.9 Proposed Method: Feed Forward Compensation p.156
 5.10 Simulation Results p.159
 5.11 Experimental Results p.162
 5.12 Conclusion p.165
Chapter 6: Loss Analysis
 6.1 Introduction p.167
 6.2 Loss Analysis Driven by PWM p.168
 6.3 Loss Analysis Driven by Overmodulations (IMC) p.175
 6.3.1 Comparison between PMW and Square Wave Modulation p.177
 6.3.2 Comparison between Square Wave Modulation and Trapezoidal Wave Modulation p.178
 6.3.3 Comparison of Efficiency between Simulation and Experimental p.180
 6.4 Loss Analysis Driven by Overmodulation (Proposed Converter) p.182
 6.5 Loss Analysis of Proposed Circuit for Japanese 10-15 Mode Vehicle Driving Pattern p.185
 6.5.1 HEV Driving Modes and PLECS Loss Analysis Method p.188
 6.5.2 Simulation Results p.192
 6.5.3 Analysis Results of Cycle 1 of Japanese 10-15 Mode p.195
 6.5.4 Analysis Results of Cycle 4 of Japanese 10-15 Mode p.201
 6.5.5 Energy Analysis of Proposed Converter for Japanese 10-15 Mode p.203
 6.6 Conclusion p.205
Chapter 7: Conclusion
 7.1 Discussion p.207
 7.2 Future Work
 7.2.1 Volume and Power Density p.212
 7.2.2 Design and Analysis on Motor p.214
 7.2.3 Lack of Ability to Boost-up DC Link Voltage p.215
Bibliography p.217
List of Achievements p.232
Appendix A Evaluation of Deadbeat- Direct Torque Flux Control
 A.1 Introduction p.235
 A.2 Principle of Deadbeat- Torque Flux Control p.237
 A.2.1 Mathematical Explanation p.238
 A.2.2 Graphical Representation p.243
 A.3 Performance Comparison of DB-DTFC in Inverter p.244
 A.3.1 Control Block Diagram p.245
 A.3.2 Simulation Results p.247
 A.3.3 Experimental Results p.251
 A.4 Implementation of DB-DTFC in Indirect Matrix Converter p.253
 A.5 Implementation of DB-DTFC in proposed Converter p.258
 A.6 Conclusion p.269

 マトリックスコンバータに代表される交流-交流直接電力変換器は,エネルギー蓄積要素を必要とせず,電流経路の通過素子数を少なくできることから,小型,高効率,長寿命といった利点を持つ。そのため,次世代の電力変換器として期待され,広く研究が進められている。特に, 交流電源インターフェイスシステムとして,マトリックスコンバータが期待されており,風力発電システム,HEV,電車等の応用を目指して研究開発が進められている。 交流-交流直接電力変換器を3つ以上の入出力ポートをもつハイブリッド電力システムに応用すれば,小形,高効率,長寿命化が期待できる。しかし,マトリックスコンバータはDCリンク電圧が存在しないため,バッテリなどの直流要素とインタフェースする電力変換器を直接接続できない問題がある。したがって, ハイブリッド電力システムの電力変換器として,マトリックスコンバータを応用する場合,補助回路や大形の受動素子(コンデンサやリアクトル)を追加する必要がある。その結果, 従来の回路(Back-to-back 回路)と同様に, 小型化,高効率化が困難になる。本論文では,ハイブリッド電力システムの小型化と高性能化を目的とし交流-交流直接電力変換器をベースとした大形の受動素子を用いない電力変換器を提案した。
 第1章では,本研究の背景となる技術的な歴史及び目的を述べ,本研究の意義と位置づけを明確にしている。
 第2章では,ハイブリッド電力システムについて, これまで提案されている回路を検討し, 特徴や問題点を明確する。ハイブリッド電力システムとして最も一般的な回路は電圧形PWM整流器,インバータ,チョッパなどを組みあせたBack-to-back 回路であるが,これは大容量のエネルギー蓄積要素が必要となる。そこで, エネルギー蓄積要素の低減するために, これまでいくつかの回路方式や制御法が提案されている。本章ではその回路方式と制御方法の特徴と問題点を整理する。しかし,これらの方法は,いずれも本質的にエネルギー蓄積要素が必要であるため,小型化や長寿命化の妨げとなる。 本研究では, マトリックスコンバータをハイブリッド電力システムに適用し,大形のリアクトルやコンデサなどのエネルギー蓄積要素を用いない電力変換器を提案する。提案回路はDCリンクコンデンサと昇圧インダクタを必要とせず, 小型,高効率を実現できる。
 第3章では,提案するハイブリッド電力システム用電力変換器の制御方法を述べる。提案する回路はリアクトルやコンデンサなどのエネルギー蓄積要素を用いないため, 各電源の電力を直接制御する方法を開発した。実験により所望の動作を確認し,入出力電流ひずみ率を5%以下に低減できることを確認した。
 第4章では,提案回路するハイブリッド電力システム用の電力変換器の直流インタフェース用電力変換器の設計法を明らかにする。提案回路の直流インタフェース用電力変換器は大形のエネルギー蓄積要素を用いないため,直流電流のリプルが大きくなる問題がある。この問題に対して, 提案回路におけるスイッチング周波数と電流リプルの関係を解析し,新しい制御法を提案した。また,実験により波形ひずみを42%に改善した。
 第5章では,提案回路する用いたハイブリッド電力システム用の電力変換器の電圧利用率の向上を目的とし, 二つの過変調方式の適用を検討する。さらに, 提案する過変調方式に応じた転流方法を提案する。また, 過変調方式を適用すると, 中性点電圧が変動するため, バッテリ電流の制御に影響を与えるので,そのひずみを抑制するフィードフォワード補償方法を提案する。さらに,これらの提案手法を実験により検証し,従来方法と比較することで,電圧利用率を0.97に改善し, 波形改善効果が確認できた。
 第6章では,提案する用いたハイブリッド電力システム用の電力変換器の,各変調方式について述べ, 提案回路の効率を検討する。具体的には自動車の10-15走行モードを元に6つのモードにわけて解析を行い, 提案回路を適用したときの効果を解析する。結果として, 平均効率94.5%を達成し,従来システム比べて2%程度改善できることを確認した。
 最後に第7章において,本論文を総括し、提案する制御法の有効性と問題点をあげ,今後の課題についてまとめる。提案回路は,ハイブリッド電力システム用の電力変換器における小型化や高効率化手法を確立し,交流-交流直接電力変換器の実用化,さらなる応用範囲の拡大に大きく貢献している。

本論文は、”Study on Motor Drive System Driven by Hybrid Power Converter without DC Capacitor and Boost Inductor”と題し、7章より構成され、英語で執筆されている。
 第1章では、本研究の背景となる技術的な歴史及び目的を述べ、本研究の意義と位置づけを明確にした。
 第2章では、複数の負荷や電源からなるハイブリッド電力システムについて、これまで提案されている回路を検討し、特徴や問題点を明確にしている。本研究では、マトリックスコンバータをハイブリッド電力システムに適用し、大形のリアクトルやコンデンサなどのエネルギー蓄積要素を用いない電力変換器を提案している。提案回路はDCリンクコンデンサと昇圧インダクタを必要とせず、小形、高効率を実現できている。
 第3章では、提案するハイブリッド電力システム用電力変換器の制御方法を述べる。提案する回路はリアクトルやコンデンサなどのエネルギー蓄積要素を用いないため、 各電源の電力を直接制御する方法を開発した。実験により所望の動作を確認し、入出力電流ひずみ率を5%以下に低減できることを実証している。
 第4章では、提案回路するハイブリッド電力システム用電力変換器の直流インタフェース用電力変換器の設計法を明らかにしている。提案回路の直流インタフェース用電力変換器は大形のエネルギー蓄積要素を用いないため直流電流のリプルが大きくなる問題がある。この問題に対して、 提案回路におけるスイッチング周波数と電流リプルの関係を解析し、新しい制御法を提案し、実験により波形ひずみを 42%に改善できることを確認した。
 第5章では、提案回路するハイブリッド電力変換器の電圧利用率の向上を目的とし、 二つの過変調方式の適用を検討している。さらに、 提案する過変調方式に応じた転流方法を提案している。また、 過変調方式を適用すると、 中性点電圧が変動するため、 バッテリ電流の制御に影響を与える問題が発生するので、そのひずみを抑制するフィードフォワード補償方法を提案した。これらの提案手法を実験により検証し、従来方法と比較することで、電圧利用率を0.97と、従来に比べて10%に改善できることと、 波形改善効果を確認した。
 第6章では、ハイブリッド電力システム用の電力変換器の各変調方式について述べ、 提案回路の効率を検討した。具体的には自動車の10-15走行モードを元に6つのモードにわけて解析を行っており、 提案回路を適用したときの効果を解析している。結果として、提案システムは平均効率94.5%を達成し、 従来と比べて2%程度改善できることを確認した。
 最後に第7章において、本論文を総括し、提案する制御法の有効性と問題点をあげ、今後の課題についてまとめている。以上のように、本論文は、ハイブリッド電力システム用の電力変換器における小形化や高効率化手法を確立し、交流-交流直接電力変換器の実用化、さらなる応用範囲の拡大に大きく貢献している。
 よって、本論文は工学上及び工業上貢献するところが大きく、博士(工学)の学位論文として十分な価値を有するものと認める。

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