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Preparation and Application of Poly(tertiary amins styrenes)

氏名 木島 正人
学位の種類 工学博士
学位記番号 博甲第12号
学位授与の日付 平成元年6月30日
学位論文の題目 Preparation and Application of Poly (tertiary aminostyrenes) (ポリ(三級アミノスチレン)類の合成と応用)
論文審査委員
 主査 教授 藤本 輝雄
 副査 教授 今井 清和
 副査 教授 青山 安宏
 副査 助教授 五十野 善信
 副査 助教授 塩見 友雄
 副査 助教授 戸井 啓夫

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CONTENTS
Chapter 1.Introduction
1-1 Living Anionic polymerization as a Tool to Obtain Functional Polymers p.1
1-2 Photochromic Compounds as Recording Materials p.1
1-3 Purposes in This Thesis p.3
References p.6
Chapter 2.Anionic polymerization of Tertiary Aminostyrenes and Characterization of the polymers
2-1 Introduction p.8
2-2 Experimental
2-2-1 Monomers p.9
2-2-2 Reagents p.11
2-2-3 Polymerization p.12
2-2-4 Molecular Characterization p.12
2-3 Results
2-3-1 GPC Measurements p.13
2-3-2 Poly(N,N-dimethy1-4-vinylphenylamine), PPA p.15
2-3-3 Poly(N,N-dimethy1-4-vinylbenzylamine), PBA p.19
2-3-4 Poly(N,N-dimethy1-4-vinylphenethylamine), PPTA p.19
2-4 Discussion p.22
References p.31
Chapter 3. Quaternization of Poly (tertiary aminostyrenes) and Characterization of Quaternized polymers
3-1 Introduction p.33
3-2 Experimental
3-2-1 Poly(tertiary aminostyrenes) p.34
3-2-2 GPC Measurements p.34
3-2-3 Quaternization p.36
3-3 Results and Discussion
3-3-1 GPC Measurements p.37
3-3-2 Degree of Quaternization (DQ) p.40
3-3-3 Reaction Time and TemperatureDependence of DQ p.44
3-3-4 Kinetics p.47
References p.52
Chapter 4. Photochemical Isomerization of p,p'-Bis (chloromethyl) azobenzene Incorporated in poly (tertiary aminostyrenes) by Cross Linkage
4-1 Introduction p.53
4-2 Experimental
4-2-1 Preparation of p,p'-Bis (chloromethyl) azobenzene (CAB) p.55
4-2-2 Preparation of the polymers p.57
4-2-3 Preparation of the Cross-Linked Films p.58
4-2-4 Characterization of the Polymers p.58
4-2-5 Swelling Tests p.59
4-2-6 Measurements for Photochemical Isomerization p.59
4-3 Results and Discussion
4-3-1 Preparation of the Cross-Linked Films p.61
4-3-2 Swelling Tests of the Cross-Linked Films p.62
4-3-3 Photochemical Isomerization of CAB p.69
4-3-4 First Order Analysis of Photochemical Isomerization of Trans to Cis Form p.75
Chapter 5.The Temperature Dependenceof Photochemical Isomerization of p,p'-Bis (chloromethyl) azobenzene Incorporated in the Diblock Copolymer byCross Linkage
5-1 Introduction p.81
5-2 Experimental
5-2-1 Materials p.83
5-2-2 Preparation of the Diblock Copolymers p.84
5-2-3 Molecular Characterization p.84
5-2-4 Preparation of the Cross-Linked Films p.84
5-2-5 Measurements for Photochemical Isomerization p.85
5-3 Results and Discussion
5-3-1 Preparation of poly (N,N-dimethy1-4-vinylphenethylamine-b-styrene) p.85
5-3-2 Preparation of the Cross-Linked Films p.88
5-3-3 Photochemical Isomerization of Trans to Cis Form p.89
5-3-4 First Order Analysis of Photochemical Isomerization for Trans to Cis Form p.92
5-3-5 Isomerization of Cis to TransForm for CAB in the Cross-Linked Films p.96
References p.99
Summary p.101
List of Publications p.103
Acknowledgments p.104

 リビング・アニオン重合は分子量の調節や分子量のそろった試料の合成、ブロック共重合体の合成が容易であることから、主に物性研究のために応用されてきた。その多くの場合は炭化水素系モノマーであったが、近年では重合条件の研究や、保護基の導入により、かなり反応性の高い基を持つモノマーまでもリビング・アニオン重合が可能になってきた。しかしながら、リビング・アニオン重合による反応性ポリマーの合成および機能性ポリマーへの応用研究はまだまだ始まったばかりであり、今後の展開に興味が持たれている。
 本研究ではアニオン生長種に対して安定で保護基を必要としないと思われる三級アミノ基を持つ三種のスチレン誘導体を取り上げた。そして、i)分子量分布の狭い反応性ポリマーを合成し、ii)得られたポリマーをアゾベンゼン誘導体で架橋し、iii)その異性化反応の制御を行うことを目的とした。
 三級アミノスチレン類のアニオン重合とそのポリマーのキャラクタリゼーション
 本研究では三種のアミノスチレン類、N, N-dimethyl-4-vinylphenylamine(PA)、N,N-dimethyl-4-vinylbenzylamine(BA)、N, N-dimethyl-4-vinylphenethylamine(PTA)のリビング・アニオン重合性を種々検討した。n-BuLiを開始剤とし、THF中、-78℃で重合を行うと、いずれのモノマーでも100%の重合は進行したが、分子量分布の目安となるMw/Mn(GPC測定)は1.22-1.38と大きい。しかしながら、cumyl potassium(cumyl K)あるいはcumyl cesium(cumyl Cs)を開始剤に用いると、いずれのモノマーでもMw/Mnが1.09以下の分子量分布の狭いポリマーが得られることがわかった。ただし、PAの重合ではcumyl Csを用いると生長速度が著しく遅く、100%の重合を進行させることは困難であった。またBAおよびPTAの重合ではcumyl Kよりもcumyl Csの方がMw/Mnは小さくなる傾向があった。したがってPAの重合ではcumyl K、BAおよびPTAの重合ではcumyl Csを用いる必要があることがわかった。
 ポリ(三級アミノスチレン)類の四級化反応と、四級化ポリマーのキャラクタリゼーション
 得られた三種のポリアミン類、PPA、PBA、PPTAは四級化反応によって電解質ポリマーとしての応用が考えられる他、別の官能基の導入による高機能化が可能である。そこでこれらポリマーの四級化の反応性をDMFあるいはDMF/MeOH(80/20 v/v%)中でn-BuBrを用いて調べた。四級化の反応性はPPTA>PBA>>PPAの順であり、いずれの場合も反応時間と反応温度を適当に選べば、0-100%の四級化率で反応制御が可能であることがわかった。
 ポリ(三級アミノスチレン)中に、架橋反応によって導入したp,p'-bis(chloromethyl)azobenzene(CAB)の光異性化反応
 光応答性架橋剤としてCABを合成した。架橋膜は各ポリマーとCABのTHF溶液からキャスト法により調製し、アニーリング後実験に用いた。架橋膜は例えばP[BA(CAB)Y]のように表わす。Yはアミノ基に対するクロロメチル基のモル分率である。P[BA(CAB)9.8]のガラス転移温度Tg(DSC測定)は、PBAよりも約5℃上昇しており、分子間架橋の形成を示した。また膨潤試験も行いそれを確認した。
 架橋膜中のCABの光異性化挙動は320nmの透過光強度の変化により観測した。CABをポリスチレン中に分散させたP[St(CAB)0.94]では紫外光照射により約65%がtrans→cis光異性化したが、架橋膜では10-30%程度であった。いずれのポリマーもこの温度ではガラス状態であるため、CABの分子運動がマトリックスによって抑制されているものと思われる。Tg以上の温度では膜のゆがみにより測定困難であった。
 架橋によりジブロック共重合体に導入したCABの光異性化反応の温度依存性
 架橋膜がPPTAのTg以上でもゆがみを生じないように、PTAとスチレンのジブロック共重合体、P(PTA-b-St)を合成した。このものから調製した架橋膜、P[PTA-b-St(CAB)Y]は均一で透明であることから、ミクロ相分離構造をとっているものと考えられる。この膜は、PPTAのTg以上の温度でも光異性化の測定が可能であった。trans→cis光異性化反応の緩和時間γは30℃付近で急激に小さくなった。また平衡trans分率もこの温度で急激に小さくなった。すなわち、この温度でPPTAの主鎖の運動が可能となり、CABの運動もまた急激に活発になったものと考えられる。
 60℃でtrans→cis光異性化させたP[PTA-b-St(CAB)1.57]のCABは、20℃で可視光を照射したり、室温・暗所で180時間放置しても10%程度しかcis→trans異性化が起こらずcis体が保持された。同じく60℃でtrans→cis光異性化したP[PTA-b-St(CAB)1.57]に90℃で可視光照射したところほぼ完全にtrans体へと変化した。
 以上のことから、本研究で次の結論を得た。
1)PAの重合ではcumyl Kを開始剤に用いることで分子量分布の狭いポリマーが収率100%で得られる。
2)BA、PTAの重合ではcumyl Csを開始剤に用いることで分子量分布の狭いポリマーが収率100%で得られる。
3)光応答性化合物をブロック共重合体に架橋反応で導入することによって、光異性化反応の制御ができる。

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