STUDY OF ELECTRICALLY CONDUCTIVE PYRROLE POLYMERS PREPARED BY CHEMICAL POLYMERIZATION (化学重合法を用いた導電性ピロールポリマーに関する研究)
氏名 保科 勇輔
学位の種類 博士(工学)
学位記番号 博甲第617号
学位授与の日付 平成24年3月26日
学位論文題目 STUDY OF ELECTRICALLY CONDUCTIVE PYRROLE POLYMERS PREPARED BY CHEMICAL POLYMERIZATION (化学重合法を用いた導電性ピロールポリマーに関する研究)
論文審査委員
主査 教授 小林 高臣
副査 教授 野坂 芳雄
副査 教授 梅田 実
副査 准教授 今久保 達郎
副査 長岡工業高等専門学校教授 丸山 一典
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Contents
Abbreviation List
CHAPTER 1 General Introduction p.1
1.1 Research Backgraund of Conductive Polymers p.1
1.1.1 Appearance of electrical conductivity p.2
1.1.2 Preparation methods of conductive polymers p.6
1.2 Research using Ploypyrrole p.8
1.3 Research of polypyrrole showing interesting properties p.10
1.3.1 Synthesis of Polypyrrole by using chemical ploymerization p.10
1.3.2 Polypyrrole Nanomaterials p.15
1.3.3 Polypyrrole Copolymers p.18
1.4 Outline of this thesis p.20
1.5 References p.22
CHAPTER 2 Nanosized polypyrrole affected by surfactant agitation for emulsion polymerization p.35
2.1 Introduction p.36
2.2 Experimental p.38
2.2.1 Materials p.38
2.2.2 Preparation of Ppy powders by emulsion polymerization with and without different surfactants p.40
2.2.3 Measurements p.43
2.3 Results and Discussion p.44
2.3.1 Polymerization of pyrrole in the presence of surfactant p.44
2.3.2 Effects of agitation on the resultant Ppy powders p.51
2.4 Conclusion p.60
2.5 References p.61
CHAPTER 3 Effect of acidic catalyst on properties of novel conductive copolymer films made of pyrrole and formyl pyrrole p.65
3.1 Introduction p.66
3.2 Experimental p.68
3.2.1 Materials p.68
3.2.2 Copolymerization of Py and Fpy with various carboxylic acids p.68
3.2.3 Measurements p.69
3.3 Results and Discussion p.70
3.3.1 Properties of Py-Fpy copolymer films prepared in the presence of different catalyst p.70
3.3.2 Properties of resultant copolymer films p.76
3.4 Conclusion p.82
3.5 References p.83
CHAPTER 4 Electrically conductive films made of pyrrole-formyl pyrrole by staightforward chemical coploymerization p.87
4.1 Introduction p.88
4.2 Experimental p.90
4.2.1 Materials p.90
4.2.2 Preparation of Py-FPy copolymer p.90
4.2.3 Fabrication of sectioned thin films p.94
4.2.4 Measurements p.95
4.3 Results and Discussion p.96
4.3.1 Copolymerization of Py and Fpy p.96
4.3.2 Properties of Py-Fpy copolymer films p.105
4.3.3 Surface analysis of Py-Fpy copolymer films p.109
4.4 Conclusion p.116
4.5 References p.117
CHAPTER 5 Chemical copolymerization of pyrrole-furfural for their conductive prepared with trifluoroacetic acid catalyst p.122
5.1 Introduction p.123
5.2 Experimental p.125
5.2.1 Materials p.125
5.2.2 Preparation of Py-FPy copolymers p.125
5.2.3 measurements p.129
5.3 Results and Discussion p.130
5.3.1 Effect of acidic catalysts and solvents for the chmical copolymerization of Py-FFr copolymer p.130
5.3.2 Properities of py-FFr copolymer films p.130
5.4 Conclusion p.140
5.5 References p.141
CHAPTER 6 SUMMARY AND CONCLUSION p.144
List of Publications p.147
Other Related Papers p.148
Presentation in International Conferences and Symposiums p.149
本論文は、「Study of electrically conductive pyrrole polymers prepared by Chemical Polymerization(化学重合法を用いた導電性ピロールポリマーに関する研究)」と題し、5章より構成されている。
第1章「General Introduction」では、一般的な導電性高分子材料の研究背景と本研究に至った経緯について解説し、ポリピロールの特性や応用例、作製方法、機能化、現状の課題を示し、本研究の意義、独創性と研究目的について記述している。
第2章「Nanosized polypyrrole affected by surfactant agitation for emulsion poIymerization」においては、界面活性剤を用いたエマルション重合と高速攪拌により調整したポリピロールのナノサイズ微粒子について述べている。使用する界面活性剤の種類(陰イオン性、陽イオン性、非イオン性)及び攪拌速度は得られたポリピロールの導電率や微粒子のサイズに影響を及ぼすこと明らかにし、特に陰イオン性のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いたエマルション重合とホモジナイザーの併用により、約10S/cmの導電性を持ち、たいへん分散性に優れた40nm程度のポリピロールナノ微粒子となることを示している。
第3章「Effect of acidic catalyst on properties of novel conductive copolymer films made of pyrrole and formyl pyrrole」では新規ピロールーホルミルピロール共重合フィルムの合成において用いた酸触媒の効果について述べている。種々の酸触媒を用いた化学重合法では、特にトリフルオロ酢酸を用いた場合に金属光沢を示す共重合フィルムとなることを初めて報告している。また、第4章「Electrically conductive films made Of pyrrole-formyl pyrrole by straightforward chemical copolymerization」では、共重合に用いるピロールとホルミルピロールのモル比を変えて共重合フイルムを作製し、それぞれについての特性評価を行った。この結果より、ピロールとホルミルピロールが等モルの場合においてフイルム強度の向上が見られ、またピロールに対してホルミルピロール量を増やすことにより10-4~10-1S/cm程度まで導電率が増加することを明らかにしている。
第5章では、本研究で得られた知見をまとめるとともに、導電性ピロールポリマーの将来性について述べている。
本論文は、「Study of electrically conductive pyrrole polymers prepared by chemical polymerization(化学重合法を用いた導電性ピロールポリマーに関する研究)」と題し、6章より構成されている。
第1章「General Introduction」では、一般的な導電性高分子材料の研究背景と本研究に至った経緯について解説し、ポリピロールの作製方法とその特性や機能化手法ならびに、応用例と現状の課題を示し、本研究の意義、独創性と研究目的について記述した。
第2章「Nanosized polypyrrole affected by surfactant agitation for emulsion polymerization」においては、界面活性剤を用いたエマルション重合と高速攪拌により調整したポリピロールのナノサイズ微粒子について述べている。使用する界面活性剤の種類(陰イオン性、陽イオン性、非イオン性)及び攪拌速度は、得られたポリピロールの微粒子サイズと分散性と導電性に影響を及ぼすこと明らかにした。特に陰イオン性のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いたエマルション重合とホモジナイザーの併用により、約10S/cmの導電性を持ち、たいへん分散性に優れた40nm程度のポリピロールナノ微粒子となることを示した。
第3章「Effect of acidic catalyst on properties of novel conductive copolymer films made of pyrrole and formyl pyrrole」では、新規ピロール-ホルミルピロール共重合フィルムの合成において用いた酸触媒の効果について述べている。種々の酸触媒を用いた化学重合法で、得られたピロール-ホルミルピロールフィルムの特性を用いた酸触媒効果の観点からまとめ、特にトリフルオロ酢酸を用いた場合に、金属光沢を示す共重合フィルムとなることを初めて報告した。
第4章「Electrically conductive films made of pyrrole-formyl pyrrole by straightforward chemical copolymerization」では、共重合に用いるピロールとホルミルピロールのモル比を変えて緑色の金属光沢を有する共重合フィルムを作製し、それぞれについての特性評価を行った。この結果より、ピロールとホルミルピロールが等モルの場合においてフィルム強度の向上が見られ、またホルミルピロール量を増やすことにより10-1S/cm程度まで導電性が増加することを明らかにした。また、表面に形成したナノオーダー周期の微細構造が、緑色金属光沢の反射光の原因となる事を示した。
第5章「Chemical polymerization of pyrrole-furfural for their conductive films prepared with trifluoroacetic acid catalyst」では、同様の作製法にてフランを含むピロール重合体フィルムを作製しその特性評価を行った。この結果より、これまでに報告されている化学重合法を用いたピロール-フラン系共重合体に比べ、高収率、高いフィルム強度を保持する事を示し、
10-3S/cm程度の導電性を示す新規共重合体フィルムを作製できた。
第6章では、本研究で得られた知見をまとめるとともに、導電性ピロールポリマーの将来性について述べている。
以上のように、本研究の成果は、新規ポリ電解質ハイドロゲル材料の作製や機能化、応用に関して重要な知見を与えるものである。よって、本論文は工学上および工業上貢献するところが大きく、博士(工学)の学位論文として十分な価値を有するものと認める。