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Application of Semi-solid Forming to High Performance Aluminium and Magnesium Alloys (高性能アルミニウムおよびマグネシウム合金への半溶融成形加工法の応用)

氏名 ルディ スラディ ラクマット
学位の種類 博士(工学)
学位記番号 博甲第214号
学位授与の日付 平成12年9月30日
学位論文題目 Application of Semi-solid Forming to High Performance Aluminium and Magnesium Alloys (高性能アルミニウムおよびマグネシウム合金への半溶融成形加工法の応用)
論文審査委員
 主査 教授 小島 陽
 副査 教授 梅村 晃由
 副査 教授 宮田 保教
 副査 教授 福澤 康
 副査 助教授 鎌土 重晴

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Abstract

Chapter 1 Introduction p.1
1.1 Aluminum and magnesium alloys p.1
1.2 Semi-solid processing p.4
1.3 Advantages and disadvantages of semi-solid process p.6
1.4 Grain evolution theories in semi-solid state p.7
1.5 Purpose of present research p.9
References p.11

Chapter II Semi-solid forming of A390 Hyper-eutectic aluminum-silicon alloy p.12
2.1 Introduction p.12
2.1.1 Hyper-eutectic aluminum-silicon alloy p.12
2.1.2 Modification of A390 hyper-eutectic aluminum-silicon alloy p.14
2.1.3 Purpose p.15
2.2 Experimental procedure p.16
2.2.1 Melting process p.16
2.2.2 Re-heating and quenching method p.16
2.2.3 Semi-solid forming process p.21
2.2.4 Heat treatment p.21
2.2.5 Microstructure observation p.21
2.2.6 Tensile test p.26
2.3 Results and discussions p.28
2.3.1 Microstructures of as-cast specimens p.28
2.3.2 Microstructural evolution during re-heating p.28
2.3.3 Distribution of shape factor and size solid particles p.43
2.3.4 Aging response p.51
2.3.5 Tensile properties p.51
2.4 Conclusions p.68
References p.69

Chapter III. Application of semi-solid forming to 2024 and 7075 high strength wrought

aluminum alloys using billets fabricated by Electromagnetic casting p.70
3.1 Introduction p.70
3.1.1 Purpose p.70
3.1.2 Principle of electromagnetic casting process p.71
3.1.3 Grain refining mechanism by addition of Al-Ti-B master alloy p.71
3.2 Experimental procedure p.75
3.2.1 Fabrication of billets for semi-solid forming by EMC process p.75
3.2.2 DTA analysis p.75
3.2.3 Re-heating and quenching method p.79
3.2.4 Semi-solid formingprocess p.79
3.2.5 Fluidity test p.79
3.2.6 Aging response p.85
3.3 Results and discussions p.87
3.3.1 Microstructures of as-cast specimens p.87
3.3.2 Microstructures of evolution specimens during re-heating p.87
3.3.3 Changes in distribution of solid particles with Re-heating temperature p.87
3.3.4 Microstructures of formed specimens p.96
3.3.5 Aging response of semi-solid formed specimens p.96
3.3.6 Tensile properties p.99
3.3.7 Fluidity p.103
3.4 Conclusions p.106
References p.107

Chapter IV. Semi-solid forming of grain-refined A357 aluminum alloy billets fabricated

by Electromagnetic casting. p.109
4.1 Introduction p.109
4.1.1 Purpose
4.2 Experimental procedure p.109
4.2.1 Fabrication of billets for semi-solid forming by EMC process p.109
4.2.2 DTA analysis p.111
4.2.3 Re-heating and quenching method p.116
4.2.4 Semi-solid process p.116
4.2.5 Aging response p.120
4.3 Results and discussions p.122
4.3.1 Microstructure of as-cast billet obtained by electromagnetic casting p.122
4.3.2 Evolution of microstructures during re-heating p.122
4.3.3 Microstructures of formed specimens p.129
4.3.4 Grain size and shapes factor distribution after press forming p.129
4.3.5 Heat treatment characteristics p.129
4.3.6 Tensile properties p.133
4.3.7 Fluidity p.138
4.4 Conclusions p.140
References p.141

Chapter V. Application of semi-solid forming to heat resistant Mg-Zn-Al-Ca magnesium

alloys p.143
5.1 Introduction p.143
5.1.1 Purpose p.144
5.2 Experimental procedure p.144
5.2.1 Melting process p.144
5.2.2 DTA analysis p.146
5.2.3 Re-heating and quenching method p.146
5.2.4 Semi-solid forming p.149
5.2.5 Fluidity test p.149
5.2.6 Microstructure analysis p.149
5.2.7 Aging response p.152
5.2.8 Tensile test p.152
5.3 Results and discussions p.155
5.3.1 Solidification range p.155
5.3.2 Microstructural evolution during re-heating p.157
5.3.3 Microstructures of formed specimens p.168
5.3.4 Aging response of semi-solid formed specimens p.173
5.3.4.1 Selection of solid solution treatment conditions p.173
5.3.4.2 Aging response p.173
5.3.5 Identification of constituent phases p.178
5.3.6 Tensile properties p.182
5.3.7 Fluidity p.186
5.4 Conclusions p.189
References p.190

Chapter VI Summary p.191

Acknowledgement p.195

Achievement p.196

 自動車工業において、燃費の向上および低公害化は重要な問題であり、その対処法として鋳鉄および鉄鋼部品からアルミニウムおよびマグネシウム合金のような軽金属材料への転換が図られつつある。それゆえ、今後自動車におけるアルミニウムおよびマグネシウム合金の使用は世界的に増加するものと予測されている。
 現在、自動車工業では材料コストが高くとも一体成形等により製造コストを低減可能なアルミニウムおよびマグネシウムダイカスト部品を使用している。今後は、軽量で、かつ高い性能を必要とするパワートレイン系部品および耐圧性を必要とするような高性能部品への応用が期待されている。そのため、優れた機械的性質および実用的な性能を有する薄肉の製品を製造可能なニアネットシェイプ加工としての半溶融成形加工法が注目されつつある。
 しかしながら、半溶融成形加工に適用されている合金はAl-7%Si-0.5%Mg(A357)合金のみで、その製造方法の特徴を生かした適用合金種が少ないのが現状である。一方では、半溶融成形加工に用いられるビレットは従来のDC鋳造法に電磁攪拌を加えて製造され、その組織は、デンドライトアームが縮退した非デンドライト組織となっている。しかしながら、製造時のモールドとの接触により表面が凹凸が大きく、かつ溶質元素の偏析が生じ、再加熱しても表面近傍では固相の球状化が達成できないという問題がある。本研究は以上のような問題を解決することを目的として行なった。
 第1章では、アルミニウムおよびマグネシウム合金の特徴、半溶融成形加工法の概説とともに本研究の目的について述べた。
 第2章では、耐熱性および耐摩耗性に優れ、ピストン材に最適でありながら、砂型鋳造のように冷却速度が小さい場合、初晶Siが凝固中に浮上し、偏析しやすいため機械的性質にばらつきが生じやすいという問題を有する、A390過共晶Al-Si合金への半溶融成形加工を試みた。本合金ではひずみを導入した試料を共晶反応が生じる温度まで再加熱することにより、アルミニウム固溶体(α相)が微細かつ球状の固相粒子となり、それらの存在する温度範囲では、初晶Siの浮上を抑制可能であることがわかった。さらに、そのような組織を有する温度にて半溶融成形加工することにより、均質な組織が得られ、かつ健全な金型鋳造材とほぼ同等な引張特性を示すことを明らかにした。
 第3章では、高品質なニアネットシェイプ部品の製造が可能となる半溶融成形加工に適した微細な結晶粒を有するビレットの製造を目的として、市販展伸用アルミニウム合金、2024、7075ジュラルミン系合金に結晶微細化剤としてAl-5%Ti-1%B 母合金を添加するとともに、表面性状を滑らかにするため、製造方法としてEMC法の適用を試みた。さらに得られたビレットの半溶融成形加工条件の確立も目的とした。その結果、表面は滑らかで、内部まで微細かつ均一な結晶粒を有するビレットが得られ、ビレットを半溶融温度まで再加熱することにより、粒界の化合物からの溶解とともに浮遊晶の溶断、デンドライトアームの溶断および合体が生じ、固相粒子は球状化することを示した。各合金ともに最適な半溶融温度で成形した試料は固相粒子が十分に球状化し、端部まで均一に分散した組織となり、その結果、両合金とも薄肉充填性も良好となり、かつ鍛造材に匹敵する引張特性が得られることを明らかにした。
 第4章では、第3章と同様な手法を用いてA357アルミニウム合金ビレットを製造し、その半溶融温度における組織変化、薄肉充填性ならびに成形材の引張特性を評価した。その結果、展伸用アルミニウム合金と同様に、内部まで均一な結晶粒および微細なデンドライトアーム間隔を有するビレットが得られ、そのようなビレットを用いた半溶融成形加工により固相粒子と液相が均一に分散した組織が得られるとともに、最適な注湯温度の選択により薄肉部分への充填性に加えて、組織の均質性が向上することも示した。さらに、半溶融成形加工後T6処理した試料はASTM規格の引張特性を大きく上回り、既存のDC鋳造中に電磁攪拌を施したビレットを用いて半溶融成形加工した試料の引張特性と比較しても、引張強さはおよび0.2%耐力はほぼ同等であるが、伸びは上回ることを明らかにした。
 第5章では、耐熱性を有しながら、低融点化合物の生成によりダイカスト時の熱間割れが問題となっているMg-Zn-Al-Ca合金のひずみ導入材を用いた半溶融成形加工を試み、その際の組織変化、充填性および耐熱性を評価した。Zn+Al添加量の増加とともに低温で溶解する共晶化合物量が増加するとともに、低温でも低固相率となり、その結果として、Zn合金のダイカストにおける溶解温度とほぼ同等の443℃でも半溶融成形加工が可能となり、かつ試料の中心部から端部まで微細な固相粒子が均一分布した均質なミクロ組織となり、薄肉充填性が向上することを明らかにした。さらに、Zn+Al添加量の増加とともに、固相粒子を取り囲む化合物量が増えるため、耐熱性が向上し、全ての供試材とも200℃でも150MPa以上の高い引張強さを示し、既存マグネシウム合金AZ91Dの高温引張強さを上回るようになることを示した。
 第6章では、本論文で得られた研究成果を要約し、結論とした。

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