本文ここから

High-Speed High-Precision Motion Control of Mechatronic Servo System(メカトロサーボ系の高速高精度運動制御)

氏名 アナック アグン バグス マハワン
学位の種類 博士(工学)
学位記番号 博甲第198号
学位授与の日付 平成12年3月24日
学位論文の題目 High-Speed High-Precision Motion Control of Mecha- tronic Servo System(メカトロサーボ系の高速高精度運動制御)
論文審査委員
 主査 助教授 羅 正華
 副査 助教授 川谷 亮治
 副査 助教授 大石 潔
 副査 教授 梅村 晃由
 副査 教授 秋山 伸幸

平成11(1999)年度博士論文題名一覧] [博士論文題名一覧]に戻る.

1 Introduction p.1
 1.1 Mechatronic Systems p.2
 1.2 Dynamics of a Mechatronic Servo System p.4
 1.3 Servo Problem and Control Systems Design p.7
 1.4 The Significance of Feedforward Compensator p.10
 1.5 Objective and Scope of the Study p.16
 1.6 Organization of the Thesis p.17

2 On-Line Parameter Identification for Specific Feedforward Com-pensator p.19
 2.1 Introduction p.20
 2.2 Inverse Dynamics Type Feedforward for Mechatronic Servo Systems p.21
 2.3 On-Line Adaptive Parameter Identification Law p.23
 2.4 Closed-Loop Stability Analysis p.23
 2.5 Application to A Servomechanism p.26
 2.5.1 Description of the Experimental Control System p.26
 2.5.2 Simulation Results p.26
 2.5.3 Experimental Results p.36
 2.6 Concluding Remarks p.39

3 Repetitive Control of Tracking Systems with Time-Varying Peri-odic References p.41
 3.1 Introduction p.42
 3.2 Design of a new repetitive controller p.46
 3.3 Proof of the closed-loop stability p.49
 3.4 Application to a Servomechanism p.55
 3.4.1 Simulation Results p.58
 3.4.2 Experimental results p.60
 2.5 Concluding Remarks p.62

4 Motion Control Using Extended State Observer p.63
 4.1 Introduction p.64
 4.2 Extended State Observer p.65
 4.2.1 General Idea p.65
 4.2.2 Relation to the Typical Disturbance Observer p.67
 4.2.3 ESO for Mechatronic Servo Systems p.69
 4.2.4 Stability Analysis p.70
 4.3 Application to a Two-Link Planar DD Robot p.74
 4.3.1 Two-Link Planar DD Robot p.74
 4.3.2 Model of the Two-Link DD Robot p.75
 4.3.3 ESO for the Two-Link DD Robot p.77
 4.3.4 Tracking Simulations p.78
 4.3.5 Tracking Experiments p.82
 4.3.6 Further Expefiments: DOB and ESO Controller p.84
 4.4 Application to a Flexible Satellite p.90
 4.4.1 Model of a Flexible Satellite p.90
 4.4.2 ESO for A Flexible Satellite p.92
 4.4.3 Simulation Results p.93
 4.5 Concluding Remarks p.99

5 Conclusions p.101

 本研究は,メカトロサーボ系の高速・高精度運動制御手法の開発に関するものである.メカトロサーボ系においては,フィードバック制御系にフィードフォワード制御則を加えることにより,目標追従制御性能の向上が図れることが知られており,これまでに,サーボ系の高速化及び高精度化を実現するために種々のフィードフォワード制御の手法が提案されている.本研究では,このようなフィードフォワード制御の重要性に着目し,サーボ系を中心としたメカトロシステムの高速化及び高精度化を目的とするフィードフォワード制御の新しい制御手法を提案した.
 第1章では,サーボモータを用いる一般的なサーボ系の構成を説明し,そのサーボ問題について述べた.また,メカトロサーボ系に関するこれまでの研究を紹介し,高速化・高精度化を実現するためのフィードフォワード制御の必要性を示した.
 第2章では,構造が特定の2次系で表せるメカトロサーボ系に対して,モデルの構造に基づく一般的な逆ダイナミックス型フィードフォワード制御の構成を示し,その制御則を実現するために必要とするモデルの未知パラメータを,オンラインで推定できる新しい同定アルゴリズムを提案した.また,その同定アルゴリズムを用いた閉ループ系の安定性及び推定パラメータの収束性をLyapunov法に基づいて証明した.次に,提案した同定アルゴリズムを実際のACサーボ系に適用し,軌道追従制御の数値シミュレーション及び制御実験を行った結果をまとめた.本制御手法を用いた場合,目標軌道に対する追従誤差及び推定パラメータ誤差がほほ単調に減少していくことが確認でき,同定アルゴリズムの有用性が示された.
 第3章では,目標軌道が時変的な周期関数の場合に対して,新しい繰り返し制御法を提案した.産業用ロボットのようなメカトロサーボ系では,目標軌道あるいは作業が繰り返される場合が多い.この種の目標軌道に対して、追従誤差が小さくなるように制御入力を周期ごとに修正していくことのできる反復制御や繰り返し制御が有効であることが知られており、これまでに,これらに関する研究成果が報告されている.しかしながら,メカトロサーボ系における作業速度は,通常,一定ではない.例えば,作業開始時に立ち上がり動作,終了時に立ち下がり動作が設けられ,この場合,目標軌道は周期が変動する時間関数となる.そのため,従来の繰り返し制御は,そのままでは適用できないという問題点がある.そこで,従来の繰り返し制御で目標軌道が一定周期である必要,という条件を緩和した新しい繰り返し制御法を提案した.具体的には,まず,時間領域に対するある領域変換を導入し,それに対して繰り返し制御則を構築することにより,目標軌道が必ずしも時間の周期関数でなくても適用できる繰り返し制御法の拡張アルゴリズムについて述べた.また,提案した繰り返し制御を用いた閉ループ系の安定性解析により,システムが特定のノルム条件の下で安定であることを明らかにした.新しい繰り返し制御法を再びACサーボ系に実装し,周期が変動する目標軌道に対する数値シミュレーション及び実験結果を用いてサーボ系の追従特性を解析し,本手法の有効性を示した.
 策4章では,多リンクロボットで多く見られるような強い非線形動特性を持ち,なおかつ構造が特定できないサーボ系に対し,未知動特性そのものを拡張状態オブザーバで推定し,それを用いてフィードフォワード制御することにより,非線形性等をもつメカトロサーボ系の高速化・高精度化が実現できることを述べた.まず,一般的な拡張状態オブザーバについて述べ,既に知られている外乱オブザーバとの関係や相違点を示した.次に,メカトロサーボ系に対する3次の拡張状態オブザーバの構築法を説明した.この拡張状態オブザーバをリンク間の干渉が強いDDロボットに実装し,軌道追従シミュレーション及び実験を行った結果,従来のPDフィードバック制御のみよりも拡張状態オブザーバでシステムの動特性をフィードフォワード制御した方が優れた追従特性を与えることが可能であることを確認した.また,柔軟な構造をもつ人工衛星の姿勢制御系に対しても拡張状態オブザーバを適用し,数値シミュレーションで本制御法の有用性を示した.
 最後に,第5章では,本研究の成果を総括した.

平成11(1999)年度博士論文題名一覧

お気に入り

マイメニューの機能は、JavaScriptが無効なため使用できません。ご利用になるには、JavaScriptを有効にしてください。

ページの先頭へ戻る