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掘削・覆工併進工法の適用性と鋼繊維補強コンクリートライニングの設計手法に関する研究

氏名 鬼頭 誠
学位の種類 博士(工学)
学位記番号 博乙第56号
学位授与の日付 平成7年3月24日
学位論文の題目 掘削・覆工併進工法の適用性と鋼繊維補強コンクリートライニングの設計手法に関する研究
論文審査員
 主査 教授 小川 正二
 副査 教授 鳥居 邦夫
 副査 教授 丸山 暉彦
 副査 教授 丸山 久一
 副査 助教授 本城 勇介

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目次
第1章 序論 p.1
1-1 緒言 p.1
1-2 研究の背景 p.2
1-3 研究の目的 p.4
1-4 論文の構成 p.5
参考文献 p.6
第2章 掘削・覆工併進工法の適用 p.7
2-1 掘削・覆工併進工法の概要 p.7
2-1-1 併進工法 p.7
2-1-2 併進工法の概要 p.10
2-2 工法の特徴 p.20
2-2-1 都市トンネルにおける特徴 p.20
2-2-2 山岳トンネルにおける特徴 p.25
2-3 既存トンネル工法の問題点 p.29
2-3-1 掘進施工に伴う地盤沈下 p.29
2-3-2 地表面沈下・陥没 p.32
2-3-3 覆工と地山間の空隙 p.34
2-3-4 掘削に伴う発破振動 p.36
2-4 新工法の適用 p.41
2-5 まとめ p.42
参考文献 p.42
第3章 覆工設計の基本 p.46
3-1 覆工の構造耐力 p.46
3-1-1 検討概要 p.46
3-1-2 解析結果 p.49
3-2 覆工の部材耐力 p.51
3-2-1 検討概要 p.51
3-2-2 検討結果 p.51
3-3 まとめ p.53
参考文献 p.53
第4章 円環覆工の耐荷力 p.55
4-1 円環供試体載荷実験 p.55
4-2 円環供試体載荷測定結果 p.57
4-3 円環供試体載荷実験の解析と考察 p.69
4-4 まとめ p.72
参考文献 p.73
第5章 直方部材の耐荷力 p.74
5-1 直方供試体載荷実験 p.74
5-1-1 供試体 p.74
5-1-2 実験方法 p.76
5-2 測定結果 p.77
5-2-1 15cm角供試体実験 p.77
5-2-2 40cm角供試体実験 p.81
5-2-3 たわみ量と開口幅の関係 p.85
5-2-4 15cm角供試体と40cm角供試体の実験結果の比較 p.86
5-3 実験の解析と考察 p.88
5-3-1 荷重-たわみ p.88
5-3-2 ひびわれの影響範囲とたわみ-開口幅の関係 p.90
5-4 まとめ p.92
参考文献 p.92
第6章 耐力算定に関するひびわれの影響範囲の検討 p.94
6-1 ひびわれ開口幅と影響範囲の関係 p.94
6-2 ひびわれの影響範囲を用いた耐荷力の検討 p.100
6-2-1 算定手順 p.100
6-2-2 算定結果 p.102
6-3 まとめ p.103
参考文献 p.104
第7章 鋼繊維補強コンクリート覆工の設計法 p.105
7-1 鋼繊維の受け持つ引張強度の算定法方 p.105
7-1-1 鋼繊維補強コンクリートの応力分布の簡易化 p.105
7-1-2 ひびわれ深さの制限値 p.106
7-1-3 ひびわれの設計限界開口幅 p.107
7-1-4 引張強度の算定 p.108
7-2 部材厚を考慮した引張度算定 p.110
7-3 部材断面の耐力算定 p.112
7-3-1 算定条件および算定式 p.112
7-3-2 耐荷力曲線の算定 p.113
7-4 部材断面力の算定 p.116
7-4-1 荷重 p.116
7-4-2 鋼繊維補強コンクリートのヤング係数 p.123
7-4-3 構造計算 p.126
7-5 安全性照査 p.127
7-5-1 限界状態 p.127
7-5-2 安全係数 p.128
7-5-3 安全性照査 p.131
7-6 まとめ p.133
参考文献 p.134
第8章 結論 p.136

 本論文は、新しいトンネル工法である掘削・覆工併進工法の開発と適用製の検討、そして我が国で初めて鋼繊維補強コンクリートによる覆工の限界状態設計法を確立するために実施された各種の実験・解析による研究をとりまとめたもので以下の8章から構成される。
 第1章「序論」では、研究の背景と現行技術の問題、そして本工法の研究課題等について述べ、本研究の位置づけと目的を明らかにしている。
 第2章「掘削・覆工併進工法の適用性」では、全体システムを概説し、本工法の特徴である地山に密着した覆工体の構築と高速施工性そして地盤沈下や地下水低下が少ない低公害性、、作業の安全性、経済性等について調査・分析している。また、既存工法について地盤沈下、地表陥没、覆工体裏面の空隙、渇水そして発破による掘削振動等の実態調査を行い、その問題点を明らかにした。そして、これら新工法の特徴と既存工法の問題点等を比較検討し、都市トンネルや山岳トンネルにおいても有効な適用性を有するものとして結論づけている。
 第3章「覆工設計の理論」では、覆工の土中構造物として耐力についてFEMモデル解析を行い、覆工設計の基本的な考え方を明らかにした。即ち、円環状覆工構造物は、一部にひびわれが生じても全体的には安全性が確保され、全体破壊までには大きな耐荷力を有するので、最初に顕著なひびわれが発生する状態を基準として部材耐力を用いた設計とし、部材耐力については材料特性を考慮したひびわれ状態を規定し、これを算定する。また、設計手法は、破壊状態を考慮した限界状態設計法を用いる等基本的な考え方を明らかにした。
 第4章「円環覆工の耐荷力」では、円環覆工の載荷実験結果と解析について論述し、円環覆工体は覆工にひびわれが生じても破壊せず、大きな構造耐力を有し、部材耐力をもって耐力算定を行えば安全側の設計となるなど、第3章設計の基本事項を実証した。また、鋼繊維補強コンクリートの耐荷力算定は、ひびわれの深さ、開口幅等の状態を規定して行い、最初にひびわれが生ずる状態を想定して、剛体一様リングとして取り扱うなど具体的な事項にも言及した。
 第5章「直方部材の耐荷力」では、直方体の載荷実験と解析結果から鋼繊維補強コンクリートのひびわれ、たわみ、荷重の関係を求め、部材耐力の算定に用いる基本事項を明らかにするとともに、引張り軟化曲線の適用性やひびわれ深さとその影響範囲の関連づけについて解明した。また、試験体寸法の違いによって、最大引張り力、開口幅等は異なり、覆工厚に応じて修正使用する必要があることが判明した。
 第6章「耐力算定に関するひびわれの影響範囲の検討」では、覆工の耐力算定には、部材断面の70%までのひびわれ深さに止め、その場合の歪みがひびわれに吸収されるような挙動を示す、いわゆる影響範囲について実測結果の解析を行い、部材厚さの0.7程度とすることが妥当であろうとの検証を得た。また、その影響範囲を覆工厚さの7割とした耐荷力の解析値と実測値は良く一致しており、合理的に断面耐力を算定できるとの結論づけを行った。
 第7章「鋼繊維補強コンクリートの覆工の設計法」では、部材耐力の設計に用いる引張り強度の算定手法、覆工厚に応じた修正法、そしてひびわれの規制値を用いた耐力算定式を明らかにした。また、部材断面力について、荷重や設計手法を調査・検討し、本工法に用いる荷重、構造計算モデルを選定し、安全性照査に用いる各種係数の適用性を検討しこれを定めた。
 こうした部材の耐荷力、断面力、安全係数等により鋼繊維補強コンクリート覆工の設計法を限界状態設計法として具体的にまとめ提案した。
 第8章「結論」では、本研究の結果を総括し、本工法は地山に密着した高品質の覆工体が構築でき、無公害の工法で、高速施工に優れ、都市の道路阻害も少ない都市トンネル工法に適したものであり、山岳に用いた場合にも、インバート下の空隙も生ぜず、渇水も少なく、掘削振動も極めて低い低公害性の工法で、機械経費は高いものの適用性の大きな工法であるとの検証が得られた。そして、設計手法については、ひびわれの深さを70%に規制し、影響範囲を覆工厚の7割としての設計限界ひびわれ幅を求め、鋼繊維の受け持つ引張り力を想定して部材耐力が算定できることを解明した。
 これらの耐力算定手法をもとに、周辺バネフレーム解析モデルを用い、荷重等については現行のシールド荷重を用いておけば安全側の設計となり、実用的な限界状態設計法が提案できるとの結論が得られた。

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