光増幅器に関する研究
氏名 山田 誠
学位の種類 博士(工学)
学位記番号 博乙第135号
学位授与の日付 平成11年3月25日
学位論文の題目 光増幅器に関する研究
論文審査委員
主査 教授 作田 共平
副査 教授 飯田 誠之
副査 教授 上林 利生
副査 教授 打木 久雄
副査 教授 小松 高行
副査 助教授 小野 浩司
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第1章 序論 p.1
1.1 光通信システムにおける光増幅技術の役割 p.1
1.2 光増幅技術の種類及び特徴 p.4
1.3 希土類添加ファイバ増幅器及び半導体レーザ増幅器に関する研究経過と本研究の位置付け p.7
1.3.1 希土類添加ファイバ増幅器に関する研究経過と本研究の位置付け p.7
1.3.2 半導体レーザー増幅器に関する研究経過と本研究の位置付け p.11
1.4 本研究の目的及び構成 p.12
参考文献 p.15
第2章 1.5μm帯Er3+添加光ファイバ増幅器 p.18
2.1 序論 p.18
2.2 増幅原理及び基本理論 p.20
2.2.1 増幅原理及び伝搬方程式の導出 p.20
2.2.2 誘導放出・吸収断面積、蛍光寿命及びモードフィールド径 p.25
2.3 基本増幅特性 p.27
2.3.1 励起波長に関する考察 p.28
2.3.2 増幅帯域特性 p.33
2.3.3 出力特性 p.35
2.3.4 雑音特性 p.37
2.3.5 温度依存性 p.43
2.4 ファイバ増幅器の構成及び高効率980nm帯半導体レーザー励起Er3+添加ファイバ増幅器の開発 p.51
2.4.1 Er3+添加ファイバ増幅器基本増幅系及び構成部品 p.51
2.4.2 高効率・低雑音特性を有する980nm帯半導体レーザー励起小型Er3+添加ファイバ増幅器の開発 p.53
2.4.3 高性能増幅系に関する検討 p.61
2.5 広帯域・利得平坦型Er3+添加ファイバ増幅器の開発 p.64
2.5.1 Er3+添加多成分ガラスファイバとEr3+添加石英系ファイバを直列接続して構成した増幅器 p.66
2.5.2 Er3+添加フッ化物ファイバ増幅器 p.68
2.5.3 超広帯域利得平坦型Er3+添加ファイバ増幅器の開発 p.78
2.5.4 一層の広帯域化及び将来展望 p.90
2.6 まとめ p.92
参考文献 p.96
第3章 1.3μm帯Pr3+添加光ファイバ増幅器 p.101
3.1 序論 p.101
3.2 増幅原理及び基本理論 p.103
3.3 Pr3+添加フッ化物ファイバの最適化 p.108
3.3.1 Pr3+添加フッ化物ファイバの作成法 p.108
3.3.2 Pr3+添加ファイバの最適化 p.109
3.4 基本増幅特性 p.113
3.4.1 増幅帯域特性及び出力特性 p.113
3.4.2 雑音特性 p.116
3.4.3 温度依存性 p.117
3.5 Pr3+添加ファイバ増幅器の構成及び各種Pr3+添加ファイバ増幅器の増幅特性 p.121
3.5.1 基本増幅系及び構成要素 p.121
3.5.2 各種Pr3+添加ファイバ増幅器の増幅特性 p.127
3.5.3 Pr3+添加ファイバ増幅器を用いた伝送実験 p.140
3.6 高効率Pr3+添加ファイバ増幅器の開発 p.142
3.6.1 PbF2/InF3系Pr3+添加ファイバの増幅特性 p.144
3.6.2 高効率・小型Pr3+添加ファイバ増幅器の開発 p.147
3.7 まとめ p.150
参考文献 p.153
第4章 分布帰還型半導体レーザ増幅器 p.155
4.1 序論 p.155
4.2 分布帰還構造導波路解析法 p.155
4.2.1 均一分布帰還構造導波路に対するFマトリクス表示 p.156
4.2.2 不均一分布帰還構造導波路に対するFマトリクス表示 p.159
4.2.3 各種不均一分布帰還構造導波路のへのFマトリクス解析の適用法 p.161
4.3 分布帰還型半導体レーザ増幅器の増幅特性 p.164
4.4 まとめ p.169
分布帰還型半導体レーザ増幅器に関する付録 p.171
A1結合方程式の導出 p.171
A1.1 Maxwell方程式及び分布帰還構造の定式化 p.171
A1.2 結合方程式の導出 p.173
A2 式(4.7a),(4.7b),(4.7c),(4.7d)の導出 p.177
A3 Fマトリクス解析法・妥当性の確認 p.178
A3.1 グレーティングフィルタの特性解析による妥当性確認 p.178
A3.2 DFBレーザの特性解析による妥当性確認 p.180
参考文献 p.182
第5章 総轄 p.183
謝辞 p.186
論文リスト p.188
光増幅器は光通信システムを構築する上で必要不可欠な光部品である。本論文は、1.5μm通信用のEr添加ファイバ増幅器(EDFA)、1.3μm帯通信用用のPr添加ファイバ増幅器(PDFA)及び小型、光回路上に集積可能な光増幅器として近年注目を集めている半導体増幅器(SOA)の3種類の光増幅器に関するものである。
まず、第1章では序論として、光通信システムの高性能化・高機能化に関する光増幅器の役割を説明し、現在研究が行われているEDFAやPDFA等の希土類元素添加光ファイバ増幅器及びSOAの特徴を述べ、本研究の位置付け及び本論文の目的を明確にすると共に論文構成に関して記述する。
第2章では、1.5μm帯光通信システム用として重要なEDFAに関して・
1.EDFAの増幅原理及びEr3+イオン数を記述するレート方程式から、実際のEDFA増幅特性を記述する進行波方程式の導出、
2.EDFAの基本特性である基本増幅特性である、増幅帯域特性、励起波長依存性、雑音特性、温度依存性等の評価詰果を述べると共に、励起波長として0.98μm帯励起が利得効率、雑音、温度依存性の観点より優れていることに関する説明、
3.EDFAの基本構成を説明すると共に、Er添加ファイバパラメータ(添加濃度、構造)の最適化を行うと共に新規開発の0.98μm帯LDを用いた小型・高効率EDFAの実現、
4.現在、精力的に研究開発されているWDM通信システムの高性能化・高機能化を図るのに必要不可欠な広帯域・利得平坦型のEDFAとして、利得平坦特性に優れるフッ化物EDFA及び、1.55μm帯EDFA+1.58μm帯EDFAから成る並列型やテルライト系EDFA等の1.55μm帯と1.58μm帯・一括増幅型の超広帯域・利得平坦型EDFAに関する研究開発の説明、
等について述べる。
第3章では、1.3μm帯光通信システム用として重要なPDFAに関して、
1.PDFAの増幅原理及びPr3+イオン数を記述するレート方程式から、実際のPDFA増幅特性を記述する進行波方程式の導出、
2.PDFAの基本特性である、増幅帯域特憧、雑音特性、温度依存性等の評価結果の説明、
3.実用的PDFA増幅器の開発として、Pr添加ファイバの高効率化、励起光源の選択、構成法(増幅系の低損失接続技術、増幅系検討)の検討結果を説明すると共に、実現した各種PDFAの増幅特性及び、開発したPDFAの有効性に関する説明、
4.ファイバホストの観点からPr添加ファイバの高効率化を行うと共に、In系Pr添加フッ化物ファイバを実現し、一層の高効率化の実現
等について述べる。
第4章では、SOAの高性能化のために有望な分布帰還型半導体増幅器に関して着目し、
1.一般的な分布帰還構造解析法として、全ての分布帰還型導波路、すなわち、均一型、テーパー型、チャープ型、位相シフト型を解析できる新規解析法・Fマトリックス法の提案、
2.分布帰還型増幅器として解析した、テーパー型、チャープ型、位相シフト型DFB増幅器の基本特性について説明すると共に、従来のファブリペロー型及び進行波型SOAとの比較、
等に関して述べる。
最後に、第5章として、本論文のまとめを述べる。