本文ここから

道路用蛍光体材料の視認性に関する研究

氏名 藤田 晃弘
学位の種類 博士(工学)
学位記番号 博乙第115号
学位授与の日付 平成10年3月25日
学位論文の題目 道路用蛍光体材料の視認性に関する研究
論文審査委員
 主査 教授 丸山 暉彦
 副査 教授 丸山 久一
 副査 助教授 宮木 康幸
 副査 助教授 唐 伯明
 副査 東京農業大学 教授 牧 恒雄

平成9(1997)年度博士論文題名一覧] [博士論文題名一覧]に戻る.

1章 序論
1.1 研究の背景 p.1
1.2 研究の目的 p.2
1.3 本論文の構成 p.2

2章 蛍光体材料の基本的性質
2.1 蛍光体材料
2.1.1 概説 p.4
2.1.2 無機蛍光顔料 p.5
2.1.3 無機蓄光顔料 p.6
2.2 発光メカニズム
2.2.1 概説 p.7
2.2.2 紫外線と化学反応の進行 p.7
2.2.3 紫外線による原子,分子の励起と蛍光,りん光 p.8
2.3 ブラックライト
2.3.1 概説 p.11
2.3.2 用途 p.12
2.3.3 種類 p.12
2.3.4 太陽光と紫外線 p.13
2.4 蛍光体材料の物性 p.14

3章 蛍光体材料板の光学特性
3.1 蛍光体材料板
3.1.1 材料および測定方法 p.17
3.1.2 UV強度と発光輝度 p.17
3.1.3 材料厚さと発光輝度 p.18
3.1.4 水深と発光輝度 p.19
3.1.5 まとめ p.20
3.2 蓄光材料板
3.2.1 材料および測定方法 p.20
3.2.2 顔料混入率とりん光輝度 p.21
3.2.3 最適励起時間と初期りん光輝度 p.21
3.2.4 発光色とりん光輝度 p.22
3.2.5 材料厚さとりん光輝度 p.22
3.2.6 照射光源とりん光輝度 p.24
3.2.7 まとめ p.24

4章 蛍光骨材の光学特性
4.1 蛍光舗装の発光輝度
4.1.1 実験の目的 p.25
4.1.2 実験方法 p.25
4.1.3 UV強度と発光輝度 p.26
4.1.4 発光輝度に及ぼす散布量の影響 p.30
4.1.5 発光輝度に及ぼす蛍光骨材サイズの影響 p.36
4.1.6 蛍光骨材色との関係 p.39
4.1.7 発光輝度に及ぼす環境照度の影響 p.43
4.1.8 発光輝度に及ぼす影響の定量化 p.47
4.2 蛍光舗装の視認性
4.2.1 実験の目的 p.52
4.2.2 実験方法 p.52
4.2.3 明るさ評価
 (1) 環境照度の影響 p.54
 (2) 視認距離の影響 p.57
 (3) 重回帰分析 p.61
4.2.4 色識別評価
 (1) 環境照度の影響 p.62
 (2) 視認距離の影響 p.66
 (3) 重回帰分析 p.70

5章 発光舗装の設計
5.1 発光舗装の設計フロー p.73
5.2 設計例 p.74

6章 結論および今後の課題 p.80

参考文献 p.85

謝辞 p.89

施工例

 道路材料として使用できる蛍光体材料(蛍光材料、蓄光材料)を新しく開発した。
 蛍光材料を用いた舗装は、紫外線ランプを照射すると、多色で高輝度に発光し、夜間の景観創出、視認性向上の面で交通安全対策などに利用できる。
 一方、蓄光材料は、太陽光、人工光を照射すると、消灯後も残光を程するもので、照明設備のない夜道などにおいて、視線誘導、案内標示などに利用できる材料である。
 これら蛍光体材料を道路用材料として用いた例は諸外国にはなく、材料物性および光学特性がほとんど解明されていないのが現状である。
 そこで本論文では、道路用材料として用いることを主目的に、材料物性および光学特性について種々検討をおこない、その結果を述べるとともに、その利用法および発光舗装の設計法を提案したものである。本論文は第1章~第6章で構成され、各章の内容は以下のとおりである。
1章 序論
 研究の背景、研究の目的、本論文の構成について述べている。
 現在、道路用無機蛍光体材料の物性、光学特性は知られていない。一方、紫外光は霧、水中を透過する特長があり、蛍光体材料の励起光源でもある。この両者を利用することによって、蛍光材料は夜間あるいは悪天候下の視認性向上による交通安全あるいは景観材料に利用でき、この研究の成果が社会に貢献できるテーマであることを述べている。
2章 蛍光体材料の基本的性質
 現在利用されている蛍光体材料の機能性による分類と、無機蛍光顔料、蓄光顔料の成分とその発光メカニズムおよび蛍光材料の励起光源であるブラックライトについて説明している。また本研究のために開発した無機蛍光体材料の基本物性について検討した。
3章 蛍光体材料板の光学特性
 蛍光材料の供試体板について、蛍光顔料混入率と発光輝度、紫外線強度と発光輝度、環境照度と発光輝度、材料の大きさと発光輝度、水深深さと発光輝度の測定結果と考察を述べている。
 蓄光材料の供試体板については、蓄光顔料混入率とりん光輝度、最適励起時間と初期りん光輝度、初期りん光輝度と残光輝度、環境照度とりん光輝度の測定結果と考察について述べている。
4章 蛍光骨材の光学特性
 蛍光舗装に利用すことを目的に蛍光板を骨材化した材料について、UV強度と発光輝度散布量と単位UV強度当たりの発光輝度との関係、蛍光骨材色との関係、蛍光骨材サイズとの関係、環境照度の影響について述べている。
 一方、蛍光舗装の視認性については目視評価をおこない、明るさ評価、色識別評価について検討をおこない考察を述べている。
5章 発光舗装の設計法
 前章の検討結果から、実際に蛍光舗装を設計する場合の、設計手順について述べるとともに、具体的に樹脂舗装、ニート工法舗装について例題によって計算をおこない、暫定設計法を提案した。
6章 本研究の結論及び今後の検討
 蛍光材料は、紫外線ランプの特長である水中、霧発生時の紫外線透過を利用した悪天候下における道路の交通安全面、空港滑走路の安全離着陸を始め夜間の景観舗装用材料としての利用が十分考えられる。
 一方、蓄光材料は、停電時の屋内暗所における利用は、5~6時間以上の残光があって実用性が十分あるものの、屋外利用の場合は、残光輝度が低いためソーラ発電による間欠照射などによる照射励起を行うことによって、視線誘導、案内標識などに利用できる材料と考えられる。

平成9(1997)年度博士論文題名一覧

お気に入り

マイメニューの機能は、JavaScriptが無効なため使用できません。ご利用になるには、JavaScriptを有効にしてください。

ページの先頭へ戻る