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Preparation and Characterization of Novel Organic Materials from Epoxidized Natural Rubber(エポキシ化天然ゴムを原料とする新規有機材料の調製とキャラクタリゼーション)

氏名 齊藤 貴之
学位の種類 博士(工学)
学位記番号 博甲第457号
学位授与の日付 平成20年3月25日
学位論文題目 Preparation and Characterization of Novel Organic Materials from Epoxidized Natural Rubber (エポキシ化天然ゴムを原料とする新規有機材料の調製とキャラクタリゼーション)
論文審査委員
 主査 准教授 河原 成元
 副査 教授 西口 郁三
 副査 教授 塩見 友雄
 副査 教授 五十野善信
 副査 准教授 竹中 克彦
 副査 准教授 前川 博史

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Chapter 1 General Introduction p.1
 1.1 Deproteinization of Natural Rubber p.1
 1.2 Preparation of Novel Organic Materials from Epoxidized Deproteinized Natural Rubber p.2
 1.2.1 Carbonated Natural Rubber p.3
 1.2.2 Poly(1-methyl-1, 4-butanediol-1, 4-diyl/2, 3, 4-trihydro-5-methylfuran-2, 5-diyl) p.4
 1.2.3 Reaction between Epoxidized Natural Rubber and Poly(L-lacide) p.4
 1.3 Outline of This Thesis p.5
 1.4 Reference p.6
Chapter 2 Characterization of Epoxidized Natural Rubber thruogh 2D NMR spectroscopy p.9
 2.1 Introduction p.9
 2.2 Experimental p.10
 2.2.1 Materials p.10
 2.2.2 Typical Procedure for Preparation of Peracetic Acid p.11
 2.2.3 Typical Procedure for Deproteinization of natural Rubber p.11
 2.2.4 Typical Procedure for Epoxidation of DPNR p.12
 2.2.5 Typical Procedure for Depolymerization of EDPNR p.12
 2.2.6 Typical Procedure for Epoxidation of Squalene p.13
 2.2.7 Characterization of Sample p.13
 2.3 Results and Discussion p.15
 2.3.1 Suitable Reaction Time to Prepare Peracetic Acid p.15
 2.3.2 Characterization of Liquid Deproteinized Natural Rubber Having Epoxy Group p.16
 2.3.3 Characterization of Partially Epoxidized Squalene as a Model compound p.27
 2.3.4 Comparison of LEDPNR with Partially Epoxidized Squalene p.36
 2.4 Conclusion p.38
 2.5 Reference p.38
Chapter 3 Perparation of Carbonated natural Rubber p.39
 3.1 Introduction p.39
 3.2 Experimental p.41
 3.2.1 Materials p.41
 3.2.2 Preparation of Carbonated Natural Rubber p.41
 3.2.3 Effect of LiBr Concentration p.42
 3.2.4 Characterization of Sample p.43
 3.3 Results and Discussion p.44
 3.3.1 Characterization of Carbonated Natural Rubber p.44
 3.3.2 Suitable LiBr Concentration p.53
 3.4 Conclusion p.58
 3.5 References p.59
Chapter 4. Preparation and Characterization of Poly(1-methyl-1, 4-butanediol-1, 4-diyl/2, 3, 4-trihydro-5-methylfuran-2, 5-diyl) p.61
 4.1 Introduction p.61
 4.2 Experimental p.62
 4.2.1 Materials p.62
 4.2.2 Preparation of Epoxidized Natural Rubber p.62
 4.2.3 Preparation of Poly(1-methyl-1, 4-butanediol-1, 4-diyl/2, 3, 4-trihydro-5-methylfuran-2, 5-diyl) p.63
 4.2.4 Characterization of sample p.64
 4.3 Results and Discussion p.65
 4.3.1 Characterization of Epoxidized Natural Rubber p.65
 4.3.2 Characterization of Poly(1-methyl-1, 4-butanediol-1, 4-diyl/2, 3, 4-trihydro-5-methylfuran-2, 5-diyl) p.66
 4.4 Conclusions p.75
 4.5 References p.75
Chapter 5 Quantitative Analysis of Reaction between Epoxidized natural Rubber and Poly(L-lactide) p.77
 5.1 Introduction p.77
 5.2 Experimantal p.79
 5.2.1 Materials p.79
 5.2.2 Sample Preparation p.79
 5.2.3 Characterization of Sample p.81
 5.3 Results and Discussion p.82
 5.3.1 Characterization of Epoxidized Natural Rubber p.82
 5.3.2 Characterization of Epoxidized Natural Rubber/Poly(L-lactide) blend p.84
 5.4 Conclusions p.91
 5.5 References p.91
Chapter 6 Conclusion p.93
List of Presentations
Acknowledgements

 エポキシ化天然ゴムは、主鎖に反応性の高いエポキシ基を有していることから、新規有機材料を調製するための原料としての利用が期待される。例えば、エポキシ基と二酸化炭素を反応することによりカーボネート化天然ゴム、エポキシ基の加水分解によりpoly(1-methy1-1,4-butanediol-1,4-diy1/2,3,4-trihydro-5methylfuran-2,5-diyl)、およびエポキシ基とポリ(L-乳酸)(PLLA)との反応によりエポキシ化天然ゴムとPLLAからなる共重合体を合成できると考えられる。これまでに、エポキシ化天然ゴムを原料として新規有機材料を調製するための検討が行われてきたが、エポキシ化天然ゴムに含まれるタンパク質が反応を阻害するため、目的物質を調製することが困難であった。最近、我々は尿素を用いて天然ゴムから迅速かつ高効率にタンパク質を除去する方法を確立した。この方法により得られた脱タンパク質化天然ゴム(DPNR)を用いて調製されたエポキシ化DPNRを原料とすることにより、副反応を抑制し、新規有機材料を調製することが可能になると考えられる。そこで、本研究では、エポキシ化天然ゴムから新規有機材料を調製する目的として、原料であるエポキシ化DPNRのキャラクタリゼーションを行った後、エポキシ化DPNRのカーボネート化、加水分解、およびPLLAとの反応について検討した。
 第1章では序論として、本研究の背景、意義および目的について述べると共に、過去の研究におけるエポキシ化天然ゴムを原料とする材料調製に関する問題点および問題解決のための方法について論じた。
 第2章では、エポキシ化天然ゴムの1HNMRスペクトルの飽和領域に示されたシグナルを帰属するため、NMR法によるキャラクタリゼーションを行った。エポキシ化天然ゴムはDPNRに過酢酸を反応させた後、過硫酸アンモニウムを用いて低分子量化することにより調製した。得られた液状エポキシ化DPNR(LEDPNR)の1HNMRスペクトルに示された1.6および2.1ppm付近の未帰属のシグナルは、13CNMR、DEPT、COSY、HETCOR、およびHMBC測定により、エポキシ化されたcis-1,4-イソプレン単位のメチレンプロトンおよびcis-1,4-イソプレン単位のメチレンプロトンにそれぞれ帰属した。さらに、モデル化合物を用いて帰属の裏付けを行った。
 第3章では、エポキシ化天然ゴムに二酸化炭素を反応することによりカーボネート化天然ゴムを調製する検討を行った。LEDPNRにLiBrを混合してから超臨界二酸化炭素と反応することによりカーボネート化天然ゴムを調製した。得られた試料のキャラクタリゼーションを1次元および2次元NMR法により行い、カーボネート化天然ゴムが調製できたことを証明した。さらに、1HNMRスペクトルに示されたシグナル強度比から、得られた試料のカーボネート化率を算出した。得られた試料のカーボネート化率はLiBr量が0.1-0.2mol/epoxyで最大となり、0.4mol/epoxy以上ではプラトーに達した。また、モルフォロジー観察の結果から、LiBrが0.4mol/epoxy以上ではLiBrがLEDPNRから析出することを見出した。以上の結果から、エポキシ化天然ゴムのカーボネート比では、触媒の溶解性が重要な因子であることが明らかとなった。
 第4章では、エポキシ化天然ゴムの加水分解によりpoly(1-methy1-1,4-butanediol-1,4-diy1/2,3,4-trihydro-5methylfuran-2,5-diyl)を調製する検討を行った。原料であるエポキシ化天然ゴムは、m-クロロ過安息香酸を用いて脱タンパク質化天然ゴムのほぼすべてのcis-1,4-イソプレン単位の二重結合にエポキシ基を導入することにより調製した。得られたエポキシ化天然ゴムの加水分解によりpoly(1-methy1-1,4-butanediol-1,4-diy1/2,3,4-trihydro-5methylfuran-2,5-diyl)を調製した。得られた試料のキャラクタリゼーションをNMR法により行い、poly(1-methy1-1,4-butanediol-1,4-diy1/2,3,4-trihydro-5methylfuran-2,5-diyl)が生成したことを証明した。1HNMRスペクトルに示されたシグナル強度比から、1-methy1-1,4-butanediol-1,4-diy1単位と2,3,4-trihydro-5methylfuran-2,5-diyl単位の含有率を算出したところ、本研究で調製した試料に含まれる1-methy1-1,4-butanediol-1,4-diy1単位および2,3,4-trihydro-5methylfuran-2,5-diyl単位の含有率はそれぞれ16.6および83.4%であることを見出した。
 第5章ではエポキシ化天然ゴムとPLLAの反応を定量的に解析するための検討を行った。エポキシ化天然ゴムとPLLAの反応は、高アンモニア天然ゴムから調製した液状エポキシ化天然ゴム(LENR)あるいはDPNRから調製したLEDPNRをPLLAとそれぞれ混合してから高温で加熱することにより行った。得られた生成物のキャラクタリゼーションは1HNMR法により行い、第2章で行ったエポキシ化天然ゴムの1HNMRスペクトルに示されたシグナル帰属に基づいて、エポキシ化天然ゴムの反応率を算出する方法を確立した。ゴムの反応率はそれぞれ6%および23%であり、エポキシ化天然ゴムとポリ乳酸の反応では天然ゴムの脱タンパク質化が必要不可欠であることが証明された。
 第6章では本研究の総括を行った。

 本研究により、エポキシ化天然ゴムを原料としてカーボネート化天然ゴム、poly(1-methy1-1,4-butanediol-1,4-diy1/2,3,4-trihydro-5methylfuran-2,5-diyl)、およびエポキシ化天然ゴムとPLLAの共重合体を調製できることが明らかとなった。また、エポキシ化天然ゴムと1HNMRスペクトルに示されたシグナルの帰属の結果を応用することによりエポキシ化天然ゴムの反応を定量的に解析できることを実証した。

poly(1-methy1-1,4-butanediol-1,4-diy1/2,3,4-trihydro-5methylfuran-2,5-diyl)

本論文は、「Preparation and Characterization of Novel Organic Materials from Epoxidized Natural Rubber(エポキシ化天然ゴムを原料とする新規有機材料の調製とキャラクタリゼーション)」と題し、6章より構成されている。
 第1章「総合序論」では、本研究の背景、意義および目的が述べられ、エポキシ化天然ゴムを原料とする有機材料の調製に関する問題点および問題を解決するためには蛋白質を除去することが不可欠であることが記述されている。
 第2章では、エポキシ化天然ゴムの1HNMRスペクトルの飽和領域に示されたシグナルを帰属する検討が行われている。モデルとして、脱蛋白質化天然ゴムをエポキシ化してから低分子量化することにより、重溶媒に可溶な液状エポキシ化天然ゴム(LEDPNR)が調製されている。LEDPERの1H NMRスペクトルに示された1.6および2.1ppm付近のシグナルは、13CNMR、DEPT、COSY、HETCORおよびHMBC測定により、エポキシ化されたcis-1,4-イソプレン単位のメチレンプロトンおよびcis-1,4-イソプレン単位のメチレンプロトンにそれぞれ帰属されている。
 第3章では、エポキシ化天然ゴムに二酸化炭素を反応させることによりカーボネート化天然ゴムを調製する検討が行われている。LEDPERに臭化リチウムを混合してから403K、20MPaで超臨界二酸化炭素との反応が行われている。生成物は1次元および2次元NMR法により、カーボネート化天然ゴムであることが実証されている。
 第4章では、エポキシ化天然ゴムの加水分解によりpoly(1-methy1-1,4-butanediol-1,4-diy1/2,3,4-trihydro-5methylfuran-2,5-diyl)を調製する検討が行われている。原料である脱蛋白質化天然ゴムにm-クロロ過安息香酸を加えることにより、ほぼすべてのcis-1,4-イソプレン単位がエポキシ化イソプレン単位に変換されている。このエポキシ化天然ゴムを加水分解することにより得られた生成物は、1次元および2次元NMR法により、poly(1-methy1-1,4-butanediol-1,4-diy1/2,3,4-trihydro-5methylfuran-2,5-diyl)であることが証明されている。さらに、帰属されたシグナルの強度比から構成単位である1-methy1-1,4-butanediol-1,4-diy1単位および2,3,4-trihydro-5methylfuran-2,5-diyl単位の含有率はそれぞれ16.6および83.4%と見積もられている。
 第5章ではエポキシ化天然ゴムとポリ乳酸をリアクティブ混合する際の定量的解析法を確立する検討が行われている。エポキシ化天然ゴムとポリ乳酸を混合してから473Kで20分間反応後未反応物を抽出除去し、1HNMR測定が行われている。第2章で帰属されたエポキシ化天然ゴムのシグナルに着目し、その強度比からエポキシ化天然ゴムの反応率を算出する方法が提案されている。この方法を用いて解析が行われ、エポキシ化天然ゴムとポリ乳酸との反応では、天然ゴムを脱蛋白質化することが必須であることが証明されている。
 第6章「総括」では、蛋白質を除去したエポキシ化天然ゴムを原料としてカーボネート化天然ゴム、poly(1-methy1-1,4-butanediol-1,4-diy1/2,3,4-trihydro-5methylfuran-2,5-diyl)が調製できること、および、エポキシ化天然ゴムの1HNMRスペクトルに示されたシグナルの帰属を応用することによりエポキシ化天然ゴムとPLLAの反応を定量的に解析できることが概括されている。以上述べたように、本論文は工学上及び工業上貢献するところが大きく、博士(工学)の学位論文として十分な価値を有するものと認められる。

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