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Efficient MHD Power Generation System for Utilization of Nuclear Energy (核エネルギー利用効率MHD発電システム)

氏名 Le Chi Kien
学位の種類 博士(工学)
学位記番号 博甲第351号
学位授与の日付 平成17年12月31日
学位論文題目 Efficient MHD Power Generation System for Utilization of Nuclear Energy (核エネルギー利用効率MHD発電システム)
論文審査委員
 主査 助教授 原田 信弘
 副査 教授 入澤 壽逸
 副査 教授 近藤 正示
 副査 教授 大石 潔
 副査 助教授 江 偉華

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Contents

Chapter 1 INTRODUCTION p.5
 1.1 Overview of Energy and Nuclear Power generation in Space p.5
 1.2 Objectives of the Pressent Study p.17
 1.3 Structure of the Thesis p.20

Chapter 2 NUMERICAL MODEL p.21
 2.1 ICF-MHD Power Generation System p.21
 2.1.1 First Wall and Blanket p.21
 2.1.2 Series Cooling ICF Reactor Model p.21
 2.1.3 Parallel Cooling ICF Reactor Model p.22
 2.1.4 Energy Balance of ICF Power Generation System p.23
 2.2 NFR-MHD Power Generation System p.26
 2.3 Calculation Model of Components p.27
 2.3.1 Mixture Gas p.27
 2.3.2 MHD Generator p.28
 2.3.3 Gas Turbine p.29
 2.3.4 Steam Turbine p.29
 2.3.5 Compressor p.29
 2.3.6 Reactor p.30
 2.3.7 Pre-ionizer p.30
 2.4 Caluculation Conditions p.31
 2.5 Specific Mass Analysis p.32
 2.5.1 Nuclear Fission Reactor p.33
 2.5.2 MHD Generator p.33
 2.5.3 Compressor p.36
 2.5.4 Regenerator p.36
 2.5.5 Radiator p.37

Chapter 3 ICF-MHD POWER GENERATION SYSTEM p.38
 3.1 temperature Limitation of ICF Reactor Model p.38
 3.2 MHD Single Power Generation System p.40
 3.3 MHD/GT Power Generation System p.45
 3.4 MHD/ST Power Generation System p.49
 3.5 MHD/GT Combined System Using Parallel Cooling Model p.51

Chapter 4 NFR-MHD POWER GENERATION SYSTEM p.54
 4.1 Plant Efficiency p.54
 4.1.1 Enthalpy Extraction p.56
 4.1.2 Regenerator Efficiency p.61
 4.1.3 Radiation Temperature p.65
 4.1.4 Reactor Output Temperature p.67
 4.2 Specific Mass p.71
 4.2.1 Enthalpy Extraction p.71
 4.2.2 Regenerator Efficiency p.72
 4.2.3 Radiation Temperature p.74
 4.2.4 Reactor Output Temperature p.75
 4.2.5 Net Electrical Output Power p.77

Chapter 5 CONCLUSIONS p.79
 5.1 Conclusions p.79
 5.2 Contributions of This Study p.80
 5.3 Recommendations for Future Study p.81

REFERENCES

LIST OF PUBLICATIONS

ACKNOWLEDGEMENTS

 本研究では、慣性核融合炉をエネルギー源として、それに組み合わせる発電システムの効率の検討を行った。核融合反応によって、ブランケットで加熱された作動気体を第1壁で追加熱する方式を提案、採用することで2000K~2400Kの高温作動気体を得ることができる。しかし、核融合炉ブランケットの制限温度とMHD発電機のエンタルピー抽出率は発電効率及び総合プラント効率に影響を与えることが考えられる。クローズドサイクルの発電システムを採用することで、高発電効率また高プラント効率を期待できるが、どのような発電システムが最適であるかも検討が必要である。ここでは、高温動作が可能なガス冷却ブランケット慣性核融合炉と組み合わせる場合,MHD発電機単独,MHD発電機とガスタービンあるいは蒸気タービンとの複合発電システム,冷却材出力を高温と中間温度に分ける分割冷却モデルによるMHD発電機とガスタービンとの複合システムの4種類の発電システムについてプラント効率を検討した。本研究で想定したこれらの高効率慣性核融合発電システムの検討結果より以下のことがわかった。
 MHD単独発電システムを採用した場合が簡単な構成で最も高効率な慣性核融合発電システムを構築できる。MHD発電機のエンタルピー抽出率が33.5%の場合、MHD単独発電システムを用いると60%を超える総合プラント効率が可能である。MHD発電機の下流部にガスタービンや蒸気タービンを付加する複合発電システムは、その構成が複雑になり、しかもプラント効率を低下させるので好ましくない。MHD単独発電システムによって、1999Kの作動気体温度で最大プラント効率61%が得られた。しかし核融合炉出口の作動気体温度をさらに上昇させると発電効率と総合プラント効率が減少することがわり、最適な運転条件の存在が確認された。発電システムがクローズドサイクルであれば、高効率化のために電力に変換できなかった熱エネルギーは高温で核融合炉に回収する必要がある。一方で、ブランケットの温度制限から、炉出口温度を上昇させると炉入口温度を低く抑えなければならない。その結果、熱エネルギーの一部をガスクーラーから外部に捨てなくてはならないので、炉出口の気体温度を過度に上昇させることは好ましくない。これらの結果を総合して、本研究により、慣性核融合炉と組み合わせる発電システムの特徴がを明らかにすることができ、クローズドサイクルMHD単独発電システムにより、最も効率の高い発電が可能であることがわかった。
 これらの結果を基にして宇宙用ヘリウムとキセノン混合作動流体を用いるマルチメガワット級核分裂炉クローズドサイクルMHD単独発電システムの特性と性能を検討した。システム解析の視点からは、熱源の種類は重要ではないし、出力温度及び圧力が類似していれば同じ結果が期待できる。提案するクローズドサイクルMHD発電システムはガス冷却式の核分裂炉によって直接駆動することができ、低い比質量を達成する利点がある。ここで、比質量は単位電気出力当たりの質量である。システム解析を行い、以下の結論導かれた。
 本研究では、エンタルピー抽出率が28%のときプラント効率が最大の56%となって、エンタルピー抽出率が21%のとき1.4kg/kWの最小比質量が得られることがわかった。これらの達成には、100%の再生熱交換器効率と1800Kの核分裂炉出口温度が必要となる。プラント効率はラジエーター温度に強く依存し、特に宇宙用途では、最低の比質量を与えるラジエーター温度を決定する必要がある。核分裂炉との組み合わせでは,宇宙用MHD単独発電システムについて、効率と比質量の関係を検討し、プラント効率が最高の場合が必ずしも比質量が最小になるとは限らず、総合的な判断が必要となることを明らかにした。しかしながら、電気出力が比較的高いマルチメガワット級発電システムでは、本研究で提案した宇宙用クローズドサイクルMHD発電システムは従来の宇宙用発電システムより低い比質量を達成でき、最適であると結論できる。また、ここで用いたシステム解析手法によって、宇宙用発電システムの最適設計や動作条件の決定に有効であることがわかった。

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