本文ここから

スイッチング自由度を利用した多レベルインバータの回路構成とその制御法に関する研究

氏名 岩谷 一生
学位の種類 博士(工学)
学位記番号 博甲第377号
学位授与の日付 平成18年3月24日
学位論文題目 スイッチング自由度を利用した多レベルインバータの回路構成とその制御法に関する研究
論文審査委員
 主査 助教授 野口 敏彦
 副査 教授 近藤 正示
 副査 教授 大石 潔
 副査 助教授 伊東 淳一
 副査 教授 松井 景樹

平成17(2005)年度博士論文題名一覧] [博士論文題名一覧]に戻る.

第1章 序論
 1.1 研究の背景 p.1
 1.2 研究の目的 p.4
 1.3 論文の概要 p.5
 参考文献

第2章 スイッチング自由度を利用した多レベルインバータの高周波化・簡略化・高性能化
 2.1 緒言 p.8
 2.2 多レベルインバータの基本回路構成 p.10
 2.2.1 単機インバータによる多レベル化 p.10
 2.2.2 複数インバータによる多レベル化 p.14
 2.3 簡略化スイッチとスイッチング関数を用いた多レベルインバータ表記法 p.16
 2.3.1 簡略化スイッチとスイッチング関数 p.16
 2.3.2 スイッチング自由度を利用した多レベルインバータの高性能化の手法 p.22
 2.3.3 簡略化スイッチの双対変換による電流形多レベルインバータ p.24
 2.3.4 スイッチング自由度を活かした電力変換器の構成 p.29
 2.4 本研究の位置付け p.31
 2.5 結言 p.33

第3章 多レベルインバータを用いたスイッチング形電力増幅器
 3.1 緒言 p.37
 3.2 主回路構成とスイッチング関数 p.38
 3.3 デイザーを用いた多レベルインバータの変調法 p.42
 3.4 提案システムの制御方法 p.46
 3.4.1 制御優先順位と制御ブロック図 p.46
 3.4.2 スイッチング均等化法 p.48
 3.4.3 循環電流とその制御法 p.50
 3.5 実験結果 p.54
 3.6 結言 p.65
 参考文献

第4章 波形整形用インバータを接続した高周波多レベルインバータ
 4.1 緒言 p.68
 4.2 主インバータ回路構成 p.69
 4.3 アクテイブフィルタを用いた波形整形法 p.71
 4.3.1 回路構成と波形整形原理 p.71
 4.3.2 制御回路ブロック図 p.74
 4.4 スイッチング形電力フィルタを用いた波形整形法 p.76
 4.4.1 回路構成と波形整形原理 p.76
 4.4.2 直列台数と出力電圧レベルの関係 p.79
 4.4.3 制御回路ブロック図 p.81
 4.5 実験結果 p.83
 4.6 結言 p.90

第5章 単一ゲートドライブ電源で駆動可能な電流形多レベルインバータ
 5.1 緒言 p.93
 5.2 主回路構成と動作原理 p.94
 5.3 3レベルインバータ実験回路と制御ブロック図 p.97
 5.4 5レベルインバータ実験回路 p.99
 5.4.1 回路構成 p.99
 5.4.2 直流電流バランス制御と制御ブロック図 p.99
 5.5 実験結果 p.106
 5.6 結言 p.112
 参考文献

第6章 結論
 6.1 本研究の成果 p.114
 6.2 各多レベルインバータの比較 p.118
 6.3 今後の展望 p.121

謝辞

発表論文

本論文では,高周波任意波形が出力可能な電力変換器を構築するために,多レベルインバータのスイッチングパターンの自由度に着目し,システムを高周波化・簡略化・高性能化する手法を提案している。
提案手法を用いることで,周波数帯域200kHz,最高効率94.5%,音声信号の増幅も可能なシステムを構成することができた。また,主インバータとフィルタ用インバータを直列接続する手法も提案し,スイッチング素子数,外部直流電源数を低減することで,システムの簡略化を行った。更に,電力変換器の双対理論に基づいて,NPCインバータを双対変換することによって,新しい電流形多レベルインバータも提案している。
第1章では,本論文の序論として研究背景について述べ,従来の多重化,多レベル化技術に対して改善すべき問題点を提示している。また,この問題点に対して,本論文での目標と研究方針についても述べている。
第2章では,多レベルインバータのスイッチング自由度に着目した高周波化,簡略化,高性能化の手法について提案している。まず,多レベルインバータの回路構成を2種類に分類し,その特徴を明らかにしている。次に,これらの回路を統一的に表すために,スイッチング素子のオンオフ状態を模擬した多レベル簡略化スイッチとスイッチング関数について定義し,これらを用いた出力電圧の表記法を示している。そして,スイッチング自由度を利用し,高周波化,スイッチング素子簡略化手法を提案している。更に,電圧形簡略化スイッチを双対変換することで導き出される,電流形簡略化スイッチを基に,提案手法を電流形変換器にまで拡張している。また,最後に本研究の位置付けを行っている。
第3章以降は,高周波化,簡略化,高性能化の手法を適用した多レベルインバータについて述べている。
第3章では,NPCインバータを相間リアクトルによって並列多重化した9レベルインバータを高周波任意波形出力電源として使用することを提案している。第2章で提案した多レベルインバータの高周波化,高性能化の手法を適用し,スイッチングの均等化,スイッチングパターンの最適選択による循環電流の抑制法を提案し,その有効性を実験によって実証している。
第4章では,主インバータと直列に,直流バスに外部電源をもたないフルブリッジインバータを接続し,多レベル波形を合成するシステムを提案する。ここでは,第2章のスイッチング自由度による簡略化の手法を適用し,スイッチング素子の低減と,外部絶縁電源の省略を行っている。まず,主インバータと直列に電力系統の高調波補償に用いられるアクティブフィルタを接続し,波形整形する手法を示す。次に,主インバータとフルブリッジインバータが協調し合い出力電圧と直流バス電圧の制御を行うスイッチング形電力フィルタを提案する。どちらの手法も,直列接続するインバータの直流バス電圧を主インバータの直流バス電圧より低く設定することにより,スイッチング素子の低減を行っている。そして,最後にこの2つの手法の比較,検討を行っている。
第5章では,第2章で定義した多レベル簡略化スイッチを双対変換することによって,電流形簡略化スイッチを構成し,そこから電流形3レベルインバータを提案している。この回路は,全てのスイッチング素子のエミッタ端子が共通ラインに接続できるため,ゲートドライブ電源が1つ必要なだけである。また,エミッタを共通にしたまま並列多重化できるという特長をもっている。更に,スイッチング自由度を利用し,並列多重化した場合に生じる電流のアンバランスを補償する手法もあわせて提案し,その有効性を実験によって実証している。
 第6章は,本論文の結論として,各章で検討した高周波多レベルインバータに対する総括を行うとともに,本研究の今後の展望について述べる。

本論文では、高周波任意波形が出力可能な電力変換器を構築するために、多レベルインバータのスイッチングパターンの自由度に着目し、システムを高周波化・簡略化・高性能化する手法を提案している。提案手法を用いることで、周波数帯域200kHz、最高効率94.5%、音声信号の増幅も可能なシステムを構成することができた。また、主インバータとフィルタ用インバータを直列接続する手法も提案し、スイッチング素子数、外部直流電源数を低減することでシステムの簡略化を行った。更に、電力変換器の双対理論に基づいて、NPCインバータを双対変換することによって、新しい電流形多レベルインバータも提案している。
第1章では、本論文の序論として研究背景について述べ、従来の多重化、多レベル化技術に対して改善すべき問題点を提示している。また、この問題点に対して、本論文での目標と研究方針についても述べている。
第2章では、多レベルインバータのスイッチング自由度に着目した高周波化、簡略化、高性能化の手法について提案している。まず、多レベルインバータの回路構成を2種類に分類し、その特徴を明らかにしている。次に、これらの回路を統一的に表すために、スイッチング素子のオンオフ状態を模擬した多レベル簡略化スイッチとスイッチング関数について定義し、これらを用いた出力電圧の表記法を示している。そして、スイッチング自由度を利用し、高周波化、スイッチング素子簡略化手法を提案している。更に、電圧形簡略化スイッチを双対変換することで導き出される電流形簡略化スイッチを基に、提案手法を電流形変換器にまで拡張している。また、最後に本研究の位置付けを行っている。
第3章では、NPCインバータを相間リアクトルによって並列多重化した9レベルインバータを高周波任意波形出力電源として使用することを提案している。第2章で提案した多レベルインバータの高周波化、高性能化の手法を適用し、スイッチングの均等化、スイッチングパターンの最適選択による循環電流の抑制法を提案し、その有効性を実験によって実証している。
第4章では、主インバータと直列に、直流バスに外部電源をもたないフルブリッジインバータを接続し、多レベル波形を合成するシステムを提案する。ここでは、第2章のスイッチング自由度による簡略化の手法を適用し、スイッチング素子の低減と、外部絶縁電源の省略を行っている。まず、主インバータと直列に電力系統の高調波補償に用いられるアクティブフィルタを接続し、波形整形する手法を示す。次に、主インバータとフルブリッジインバータが協調し合い出力電圧と直流バス電圧の制御を行うスイッチング形電力フィルタを提案する。どちらの手法も、直列接続するインバータの直流バス電圧を主インバータの直流バス電圧より低く設定することにより、スイッチング素子の低減を行っている。
第5章では、第2章で定義した多レベル簡略化スイッチを双対変換することによって、電流形簡略化スイッチを構成し、そこから電流形3レベルインバータを提案している。この回路は、全てのスイッチング素子のエミッタ端子が共通ラインに接続できるため、ゲートドライブ電源が1つ必要なだけである。また、エミッタを共通にしたまま並列多重化できるという特長をもっている。更に、スイッチング自由度を利用し、並列多重化した場合に生じる電流のアンバランスを補償する手法もあわせて提案し、その有効性を実験によって実証している。
第6章は、本論文の結論として、各章で検討した高周波多レベルインバータに対する総括を行うとともに、本研究の今後の展望について述べている。よって、本論文は工学上及び工業上貢献するところが大きく、博士(工学)の学位論文として十分な価値を有するものと認める。

平成17(2005)年度博士論文題名一覧

お気に入り

マイメニューの機能は、JavaScriptが無効なため使用できません。ご利用になるには、JavaScriptを有効にしてください。

ページの先頭へ戻る