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A Study on functionality characterization of thin-film resist and relating materials for emerging lithography (先端リソグラフィにおける薄膜レジスト及び関連材料の機能性評価に関する研究)

氏名 佐藤 充
学位の種類 博士(工学)
学位記番号 博甲第387号
学位授与の日付 平成18年8月31日
学位論文題目 A Study on functionality characterization of thin-film resist and relating materials for emerging lithography (先端リソグラフィにおける薄膜レジスト及び関連材料の機能性評価に関する研究)
論文審査委員
 主査 助教授 河合 晃
 副査 教授 赤羽 正志
 副査 教授 高田 雅介
 副査 教授 濱崎 勝義
 副査 助教授 木村 宗弘

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Table of Contents

1 Background p.1

2 Regist Characterization with Direct Write Electron Beam and SCALPEL Exposure Systems p.9
 2.1 Resist requirements for electron beam exposures p.9
 2.2 Resist characterization with electron beam exposures p.11
 2.2.1 Direct write electron beam exposure p.11
 2.2.2 SCALPEL exposure p.16
 2.3 Summary for resist characterization with electron beam exposures p.21

3 Resist Elution Study for Immersion Lithography p.23
 3.1 Resist material impact p.23
 3.1.1 Evaluation procedure of resist component elution p.24
 3.1.2 Elution amount for PAG structural dependency p.26
 3.1.3 Elution amount for base resin type p.28
 3.2 Resist process modification p.29
 3.2.1 Evaluation procedure p.29
 3.2.2 Presoaking and topcoat application p.31
 3.3 Summary for elution characterization p.33

4 Substance Penetration in Topcoat by Fluoric Acid Etching on Silicon Substrate p.35
 4.1 Fluoric acid etching through topcoats p.35
 4.2 Experimental flow p.37
 4.3 Surface energy analysis p.39
 4.4 Silicon substrate surface analysis p.40
 4.4.1 Thickness measurement of silicon oxide layer p.40
 4.4.2 Surface energy analysis p.41
 4.4.3 AFM measurement p.41
 4.5 Blank etching p.42
 4.5.1 Surface energy analysis p.42
 4.5.2 AFM measurement p.46
 4.6 Topcoat application p.47
 4.6.1 Surface energy analysis p.47
 4.6.2 AFM measurement p.51
 4.7 Summary for topcoat application by HF etching on silicon substrate p.55

5 Topcoat Characterization for Immersion Lithography by Fluoric Acid Etching on Silicon Substrate p.57
 5.1 Data isolation concept of dipping time p.57
 5.2 Blank etching p.58
 5.2.1 HF concentration dependency p.59
 5.2.2 Dipping temperature dependency p.61
 5.3 Topcoat application p.64
 5.3.1 HF concentration dependency p.65
 5.3.2 Film thickness dependency p.67
 5.3.3 Dipping temperature dependency p.69
 5.4 Topcoat characterization p.71
 5.4.1 Penetration model p.71
 5.4.2 Diffusion coefficient p.73
 5.4.3 Relative activation energy p.74
 5.5 Summary for topcoat characterization p.76

6 Conclusions p.77

Publication list p.79

 微細加工の進展によりレジスト及び関連材料の薄膜化が必要となっている。膜厚と加工線幅に関する2次元的な軽薄短小化は、レジスト及び関連材料に関する機能性評価の重要性と機能性評価そのものの難易度を高めている。半導体デバイス製造に関わる先端リソグラフィ分野において要求加工寸法が100ナノメートル以下の領域に入ってきているため、これら機能性評価に一層の信頼性向上が要求されている。本学位論文では先端リソグラフィとして有望視される電子線リソグラフィと液浸リソグラフィに着目し、薄膜レジスト及び関連材料の機能性評価に関する研究について報告する。
 第1章では、先端リソグラフィ分野におけるレジスト及び関連材料への要求特性とその背景について記述する。第2章では、電子線レジスト評価に注目し直接描画装置と米国ベル研究所にて開発されたSCALPELを利用した解像性評価に関する研究について記述する。ポジ型とネガ型の両タイプのレジストについて、350ナノメートルの膜厚で100ナノメートル前後のパターン解像特性を評価した。電子線リソグラフィに関して特にその微細解像性が注目を集めているが、100ナノメートル未満での加工寸法においてプロセス余裕度とピッチ依存性等の材料特性が実際の量産化に向けた制約要因となることを示した。第3章では、液浸リソグラフィにおけるレジスト成分溶出に着目した研究に関して記述する。レジスト成分の溶出現象は、液浸リソグラフィ時のレジスト解像性能に影響を与えるばかりでなく、露光光学系のレンズ汚染を引き起こす懸念が指摘されている。本章では水を媒体とした液浸リソグラフィを想定し、200ナノメートルのレジスト膜厚についてレジスト成分溶出に関する評価を行った。得られた溶出物量は10マイナス12乗モルの検出感度を達成するとともに単位面積での規格化にも成功した。レジスト材料面では、レジスト中の感光剤成分である酸発生剤の化学構造依存性、具体的には酸発生剤の陰イオン炭素鎖長に関する露光未露光部での溶出挙動の逆転現象を確認した。ベース樹脂中に含まれるフッ素含有比率と溶出量の違いについても指摘した。また本評価方法を活用することでレジストプロセスの改善による溶出量低減についても検討を行った。前洗浄によるプロセス改善について未露光部で90パーセント程度の酸発生剤分解物低減を確認した。露光部の溶出物量との比較から溶出挙動の露光依存性も確認した。現像可溶型のトップコート(上層保護膜)プロセスについて検討を加え、露光の有無にかかわらず約90パーセント以上の溶出物低減効果を確認した。第4章では、液浸リソグラフィ用トップコートの物質透過性に関する研究について記述する。実際のトップコート適応膜厚は剥離あるいは現像溶解時の負担軽減から数十ナノメートル程度まで薄膜化される。そのため信頼性確保の観点から水浸漬下におけるトップコートの膜物性を解析することが望まれている。その一方で膜物性とその変化を追跡する直接観察手法において、薄膜評価時の検出感度あるいは時間解像性が問題として指摘されている。そこでフッ酸によるシリコン基板食刻による間接的評価方法を開発するとともに、モデルトップコートを調合し膜厚30ナノメートルまでの物質透過挙動に関する特性評価を行った。間接的手法である点を利用し、薄膜中におけるフッ酸透過挙動をシリコンの表面変化として捉えることに成功した。表面エネルギー変化の測定、そして原子間力顕微鏡(AFM)を解析手法として活用した。AFMによるシリコン基板表面の特徴的な円形紋様から、トップコート膜中の粒塊空隙にてこの透過現象が起こると示唆した。第5章では、前章のモデルトップコートの物質透過挙動について濃度・膜厚・温度の条件を変化させ、膜物性としての特性研究について追述する。本評価においてフッ酸濃度と透過時間との関係から透過は拡散挙動として起こることを検証した。その30ナノメートル膜厚の拡散係数は、摂氏20度における0.5重量パーセントの希フッ酸水溶液浸漬下で、1秒間当たり1x10マイナス17乗平方メートルと求められた。
 電子線リソグラフィにおけるレジストの機能性評価において、100ナノメートル以下の微細解像特性とともにプロセス余裕度そしてピッチ依存性評価の重要性を示した。液浸リソグラフィにおける機能性評価において、レジスト成分溶出に関する評価方法を確立することで材料とプロセスの両面から溶出量を議論した。またモデルトップコートを利用しフッ酸によるシリコン基板食刻による間接的評価方法を開発することで薄膜中における拡散挙動を明らかにした。本研究内容は、先端リソグラフィにおけるレジスト及び関連材料の機能性向上に貢献するとともに、先端半導体デバイス量産プロセスの信頼性確保に大きく貢献するものと期待される。

 本論文は、「A study on functionality characterization of thin-film resist and relating materials for emerging lithography (先端リソグラフィにおける薄膜レジスト及び関連材料の機能性評価に関する研究)」と題し、6章より構成されている。
 第1章では、先端リソグラフィ分野におけるレジスト及び関連材料への要求特性とその背景について記述する。近年、微細加工の進展によりレジスト及び関連材料の薄膜化が必要となっている。半導体デバイス製造に関わる先端リソグラフィ分野において要求加工寸法が100ナノメートル以下の領域に入ってきているため、これら機能性評価に一層の信頼性向上が要求されていることを述べている。
 第2章では、電子線レジスト評価に注目し直接描画装置と米国ベル研究所にて開発されたSCALPELを利用した解像性評価に関する研究について記述している。ポジ型とネガ型の両タイプのレジストについて、350ナノメートルの膜厚で100ナノメートル前後のパターン解像特性を評価している。100ナノメートル未満での加工寸法においてプロセス余裕度とピッチ依存性等の材料特性が実際の量産化に向けた制約要因となることを示している。
 第3章では、液浸リソグラフィにおけるレジスト成分溶出に着目した研究に関して記述している。レジスト成分の溶出現象は、液浸リソグラフィ時のレジスト解像性能に影響を与えるばかりでなく、露光光学系のレンズ汚染を引き起こす懸念が指摘されている。本章では水を媒体とした液浸リソグラフィを想定し、200ナノメートルのレジスト膜厚についてレジスト成分溶出に関する評価を行っている。
 第4章では、液浸リソグラフィ用トップコートの物質透過性に関する研究について記述している。フッ酸によるシリコン基板食刻による間接的評価方法を開発するとともに、モデルトップコートを調合し膜厚30ナノメートルまでの物質透過挙動に関する特性評価を行っている。
 第5章では、前章のモデルトップコートの物質透過挙動について濃度・膜厚・温度の条件を変化させ、膜物性としての特性研究について追述している。本評価においてフッ酸濃度と透過時間との関係から透過は拡散挙動として起こることを検証している。モデルトップコートを利用して、フッ酸によるシリコン基板食刻による間接的評価方法を開発することで、薄膜中における拡散挙動を明らかにしている。
 第6章では、本研究の総括をしている。
 本研究内容は、先端リソグラフィにおけるレジスト及び関連材料の機能性向上に貢献するとともに、先端半導体デバイス量産プロセスの信頼性確保に大きく貢献するものと期待される。よって、本論文は工学上及び工業上貢献するところが大きく、博士(工学)の学位論文として十分な価値を有するものと認める。

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