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Solid State Reactions and Interfacial Structures in Si3N4-Ni and SiC-Ni Sistems

(Si3N4-Ni、SiC-Ni接合における界面反応と界面構造の研究)

氏名 BRITO, MANUEL EDUARDO
学位の種類 工学博士
学位記番号 博甲第15号
学位授与の日付 平成元年9月30日
学位論文の題目 Solid State Reactions and Interfacial Structures in Si3N4-Niand Sic-Ni Systems (Si3N4-Ni, SiC-Ni接合における界面反応と界面構造の研究)
論文審査委員
 主査 助教授 弘津 禎彦
 副査 教授 長倉 繁麿
 副査 教授 田中 紘一
 副査 助教授 武藤 睦治
 副査 東京大学 教授 石田 洋一

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TABLE OF CONTENTS
CHAPTER I
INTRODUCTION p.1
I.1 GENERALITIES p.1
I.2 SCOPE OF THE PRESENT STUDY p.10
REFERENCES p.12
CHAPTER II
THERMODYNAMICS OF SOLIDSTATE BONDING, STRUCTURE OF THE CRYSTALLINE PHASES OF COMPOUNDS INVOLVED ON THE BONDING PROCESS p.13
II.1 THERMODYNAMIC OF CERAMICS-METAL REACTIONS p.13
II.2 CRYSTAL STRUCTURE AND PROPERTIES OF SILICONBASED CERAMICS p.18
II.2.1 Crystallography of Si3N4 p.18
II.2.2 Crystallography of Sic p.20
II.3 NICKEL SILICIDES, ITS CRYSTAL STRUCTURE AND RELATED PROPERTIES p.24
II.3.1 Crystallography of Ni-silicides p.25
II.3.2 Some Physical Properties of Ni-silicides p.31
II.3.3 Reactions in the Si-Ni Binary System p.33
REFERENCES p.35
CHAPTER III
Si3N4-Ni SYSTEM p.37
III.1 INTRODUCTION p.37
III.2 LITERATURE REVIEW p.37
III.3 EXPERIMENTAL p.39
III.3.1 Specimen Preparation p.39
III.3.2 Methods of Interface Characterization p.42
III.3.3 Supplemental Experiments p.45
III.4 RESULTS p.45
III.4.1 Si3N4-Ni-Cu-Kovar-Nimonic80A Bonded Specimen p.45
III.4.2 Reaction Couples p.47
III.4.3 Si3N4-Ni-Mo Bonded at 1273 k p.50
III.4.4 Si3N4-Ni-Mo Bonded at 1173 and 1373 K p.71
III.5 DISCUSSION p.86
III.5.1 Voids Formation Mechanism p.88
III.5.2 Thermodynamics Considerations p.93
III.5.3 Crystallographic Orientation Relationship at the Interface and the "O"Theory p.99
III.5.4 Supplemental Experiments p.104
III.6 SUMMARY p.107
REFERENCES p.109
CHAPTER IV
Sic-Ni SYSTEM p.111
IV.1 INTRODUCTION p.111
IV.2 LITERATURE REVIEW p.112
IV.3 EXPERIMENTAL p.114
IV.3.1 Specimen Preparation p.114
IV.3.2 Interface Characterization p.116
IV.4 RESULTS p.117
IV.4.1 Bonded Specimens p.117
IV.4.2 Reaction couples p.126
IV.5 DISCUSSION p.147
IV.5.1 Reaction Model p.148
IV.5.2 Thermodynamics considerations p.150
IV.6 SUMMARY p.152
REFERENCES p.154
CHAPTER V
GENERAL CONCLUSIONS p.156
REFERENCES p.162

 本論文は「Solid State Reactions and Interfacial Structures in Si3N4-Ni and SiC-Ni Systems」(Si3N4-Ni, SiC-Ni接合における界面反応と界面構造の研究)と題し、5つの章から構成されている。
 セラミックスは、高い耐熱性、耐摩耗性を有し、高温強度に優れた材料として知られている。しかし、セラミックスは加工が容易でなく、現在のところ、用途が制限されている。このような欠点を補うため、セラミックス-金属接合が注目を浴び、精力的に研究され始めている。セラミックス-金属接合において原子間結合様式の違いから生じる熱膨張率の差異により、接合の冷却過程で界面付近に熱応力が発生し、セラミックスの破壊が起こる。この熱応力を緩和する方法として現在注目されている方法の一つに中間材を利用した固相接合法がある。この方法では、中間材として延性の高い金属を用いるが、中間材とセラミックスとの間の界面生成相、組織形態などが接合強度に大きく影響すると考えられる。このため、界面での反応、界面構造を詳細に調べることは大変重要である。
 本論文はNiを中間材としたSi3N4、SiCと鉄基合金の接合に着目し、これらの接合で重要となっているSi3N4-Ni、SiC-Ni間の界面反応、生成相などについて、X線回折、オージェ電子分光、電子顕微鏡等により詳細に調べたものである。
 第1章「緒論」では、各種接合法および中間材を用いた高温用セラミックス-金属接合の重要性についてまず記述し、次いで熱弾塑性解析に基づく中間材の選択方法、Si3N4、SiC-金属接合での中間材としてのNiの有用性について述べ、研究の意義を明らかにした。
 第2章「固相接合法の熱力学と固相反応生成相の結晶構造」ではセラミックス-金属反応の熱力学解析の現状を紹介し、Si3N4、SiCの結晶構造ならびに可能な反応生成相としてのNi珪化物の結晶構造と諸特性について述べた。
 第3章「Si3N4-Ni接合」では、Si3N4-Ni接合方法、界面反応と界面構造の解析方法、実験結果などを詳細に述べた。高真空中、1173~1273Kにおける9.8MPa加圧下での接合においては、Ni側界面でのNi-Si-N固溶液の形成がオージェ電子分光、分析電顕により認められた。Si3N4粒界付近のAlとMg(焼結助剤添加元素)はNi側へ拡散し、冷却過程で析出する。1273Kでの接合では、界面から約2μm離れたNi層中にvoid生成が認められた。この接合条件では界面に第三相の生成がないことが高分解能電顕により明らかになった。1373Kの接合条件では、界面形態が非常にirregularとなり、voidがセラミックスと合体し、Si3N4粒界のAl, Mg元素は酸素と結合し、酸化物としてvoid中に析出している。また1373Kの接合では、Ni3Si相が生成することが電子回折法により明らかになった。この相は界面にそって約400nm厚さの層として成長し、ドメイン構造を組む。以上の結果は熱力学的考察により説明が可能であり、Si3N4-Niの高真空下での反応過程のモデルを提案した。また、これらの界面反応、界面構造と機械的性質との関係を調べ、考察した。最も高強度(約80MPa)を示した接合対は1273Kで接合したものであり、1373Kにおける強度劣化はvoid生成と関連していると思われる。
 第4章「SiC-Ni接合」では、SiC-Ni接合方法、界面反応と界面構造の解析方法、実験結果など詳細に述べた。Si3N4-Ni接合と異なり、この系では界面反応が容易におこることが判明した。接合条件1273K、9.8MPaで生成する反応層では、Ni5Si2層とNi5Si2・グラファイト層が交互に形成され、数百μm厚さの複合層を形成する。また、1273K以下の熱処理ではNi2Si相の生成反応が容易に起こることが明らかとなった。この相は格子欠陥の多い構造を持ち、歪んだ構造として界面強度に悪影響を与えると思われる。またNiとSiC間の反応ではアモルファス状のNi珪化物相が、安定なNi珪化物相生成過程において見出された。以上の結果に基づき、SiC-Ni反応機構を提案した。SiC-金属接合においては中間材としてのNiの利用は不適当であることがわかった。
 第5章「総括」では、以上の各章の主な結論を要約して論文の結論としている。

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