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DISCRETE CHOICE MODELLING OF SHOPPING TRAVEL BEHAVIOR BASED ON REVEALED AND STATED PREFERENCE DATA

(顕示選好と意識選好データによる買い物交通行動の離散的選択モデルに関する研究)

氏名 ロハス ルペルフィナ エロイサ
学位の種類 博士(工学)
学位記番号 博甲第81号
学位授与の日付 平成5年3月25日
学位論文の題目 DISCRETE CHOICE MODELLING OF SHOPPING TRAVEL BEHAVIOR BASED ONREVEALED AND STATED PREFERENCE DATA(顕示選好と意識選好データによる買物交通行動の離散的選択モデルに関する研究)
論文審査委員
 主査 教授 松本 昌二
 副査 教授 桃井 清至
 副査 教授 丸山 暉彦
 副査 助教授 中出 文平
 副査 助教授 長瀬 恵一郎
 副査 長岡工業高等専門学校助教授 湯沢 昭

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TABLE OF CONTENTS
ABSTRACT
ACKNOWLEDGMENT
CHAPTER 1 INTRODUCTION
1.1 Background p.1
1.2 Previous studies on discrete choice models p.2
1.3 Previous studies on AHP method p.7
1.4 Objectives of this study p.9
1.5 Contents of this thesis p.10
CHAPTER 2 ESTIMATION MODELS FOR RP AND SP DATA
2.1 Discrete choice model p.16
2.1.1 Introduction p.16
2.1.2 Nested logit model p.18
2.1.3 Ordered logit model for frequency choice analysis p.24
2.2 Analytic Hierarchy Process p.24
2.2.1 Introduction p.24
2.2.2 AHP method p.25
CHAPTER 3 THE NESTED LOGIT MODEL BASED ON RP DATA
3.1 Introduction p.32
3.2 Hierarchical structure for shopping choice model p.34
3.3 A case study and data p.40
3.4 Specification and estimation ofmodel p.50
3.4.1 Parking place choice model p.50
3.4.2 Model of structure A p.53
a)Mode choice model p.53
b)CBD-zone choice model p.56
c)Destination choice model p.59
d)Frequency choice model p.62
3.4.3 Model of structure B p.64
a)CBD-zone choice model p.64
b)Destination choice model p.67
c)Mode choice model p.70
3.4.4 Hierarchical structure for full range decisions p.73
3.5 Sensitivity analysis p.76
3.6 Conclusions p.85
CHAPTER 4 THE LOGIT MODEL BASED ON THE AHP DATA
4.1 Introduction p.90
4.2 Travel demand analysis by AHP p.91
4.3 Logit modelling based on AHP data p.94
4.3.1 Process flow p.94
4.3.2 The AHP based choice p.96
4.3.2 Vector of attributes and score function p.97
4.4 Data p.97
4.4.1 Structure for AHP analysis p.97
4.4.2 Questionnaire survey p.100
4.5 Estimation of AHP p.105
4.5.1 Estimation of weights p.105
4.5.2 Ranking of alternatives p.107
4.6 Estimation of logit model p.109
4.6.1 Score functions p.109
4.6.2 Estimation of logit model p.110
4.6.3 Segmentation p.117
4.7 Aggregate prediction of parkingchoice p.124
4.8 Conclusions p.127
CHAPTER 5 CONCLUSIONS p.134
APPENDIX TESTS FOR MODEL ESTIMATION p.137

 本論文は、顕示選好データあるいは意識選好データを使用して、買物交通行動の離散的選択モデルの推定方法について研究したものであり、大きくは2つの部分から成り立っている。
 まず、顕示選好(RP)データを使用した検討においては、頻度、目的地、都心部ゾーン、手段、駐車場を選択する5レベルの非集計ネステイッド・ロジットモデルを推定し、望ましいヒェラルキー構造を推定する。地方都市中心部での駐車政策を支援するために、中心部の駐車サービスが買物交通行動に及ぼす影響を感度分析によって検討する。さらに、目的地選択については、都心部か郊外かの選択、都心部でのゾーン選択という、2段階のサブ階層モデルを提案している。そして目的地選択と手段選択の順序を変えた2種類のヒェラルキー構造を検討する。
 本研究で使用したデータは、長岡市居住者を対象として実施した「休日の買物交通に関するアンケート調査」より得られたものである。
 離散的選択モデルの推定結果から、次のような結論が得られた。
1)買物交通行動モデルにおける目的地選択と手段選択の順序について、2種類のヒェラルキー構造を検討した。その結果、頻度、目的地、都心部ゾーン、手段、駐車場という選択順序のヒェラルキー構造が良いことが判明した。
2)このヒェラルキーの構造では、手段選択モデルの下のレベルは駐車場選択モデルになっており、都心部の駐車サービスの改善が、手段選択に及ぼす影響を検討できた。
3)目的地選択については2段階のサブ階層モデルを提案した。これにより都心部のゾーン別駐車サービスの改善が、都心部ゾーンの選択、さらには目的地(都心部、郊外部)の選択に及ぼす影響を検討できた。
4)このヒェラルキーモデルでは都心部の駐車場サービスの改善と、大型店床面積の増加が及ぼす影響を比較することができ、買物交通の広範囲な選択行動を分析することができた。
 次に、意識選好(SP)データを使用した検討では、階層分析法(AHP)を適用することによって得られた代替案の総合得点を順位データとみなして、グループの選好を表すロジットモデルを推定する方法を提案する。
 地方都市の都心部で駐車場を整備する場合、利用者はどのような駐車場を選択するかという行動を推定することが必要になる。そこで、意識面から利用者はどのような駐車場が望ましいと考えるかを分析するために、Saatyが開発した階層分析法(AHP)を適用する。そして、得られた意識選好データを使用して離散的選択モデルであるロジットモデルを推定し、駐車場の選択行動を予測する方法を提案する。
 本研究で提案する方法は、AHPをグループに適用するために2つの改良を行っている。第1には、AHPでは階層構造の最下層に代替案をおくのが通常である。本研究では、数多くの代替案、あるいは新しい代替案を取り扱えるようにするため、階層構造の最下層には一つ上のレベルの要因の水準をおくこととしている。そして、各要因のスコア(得点)は、物理量である水準の非線形関数によって表される。第2に、AHPでは個人データを集計する場合には、算術平均や幾何平均を使用しているために、その統計的な特性が不明確になっている。本研究では、AHPを適用した結果得られる代替案の総合得点を一種の順位データとみなして、統計学上の手順を得て離散的選択モデルを推定する。従って、推定されたモデルは、グループの選好意識を正確に表現したものになっている。
 本研究に使用したデータは、長岡市都心部の駐車場を利用する人々の選好意識構造を知るために実施した「駐車場に関する意識調査」より得られたものである。
 ロジットモデルを推定するために、AHPの最下層に長岡市内の8個の駐車場を選びロジットモデルの選択肢とする。AHPにより8個の駐車場について個人毎の総合得点が得られるので、その最大値の駐車場から順番に選択していると仮定すれば、ロジットモデルの推定が可能になる。このロジットモデルの推定結果より、駐車場の選択要因としては、駐車場から目的地までの距離が重要な変数として認められた。
 本研究では、次のような結論が得られた。
 AHPデータを使用して、グループの離散型選択モデルであるロジットモデルを推定するという提案した方法が、統計学的にすぐれており、意識選好を正確に表現したものになっている。さらに、AHPデータを使用したロジットモデルによって、顕示選好である実際の選択行動を推定できる可能性を示した。

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